ロシアの元レーシングドライバーであるビクトル・コザンコフが、F1を代表とする世界的モータースポーツにロシア人ドライバーが参戦したときにはナンバー2ドライバーとして処遇されるのが普通だと主張した。
2006年までロシアのフォーミュラ1600シリーズで戦っていた現在62歳のコザンコフは、かつてはヨーロッパでF3に参戦していたこともあり、デビッド・クルサードやルーベンス・バリチェロなどと一緒にレースをした経験を持つドライバーだ。
母国の『Match TV(マッチTV)』から、今年ハースでF1デビューを飾ったロシアの後輩ドライバーであるニキータ・マゼピンについてコメントを求められたコザンコフは次のように語った。
「F1にいる我々のドライバーは、どんなに金を投資しても、何も勝ちとることはできないだろうね」
「彼らはコックピットに座り、1キロメートルごとに一定の料金を支払う。それだけのことさ。マゼピンと(ミック)シューマッハを見ればそれが分かるだろう。チーム全体がシューマッハのために働いており、シューマッハを成功させるために全力を尽くしている。マゼピンに対しては微笑みかけるだけさ」
今年ミハエル・シューマッハの息子であるミックと共にハースでF1デビューを飾った22歳のマゼピンはロシアの富豪であるドミトリー・マゼピンの息子であり、その父が運営する化学企業のウラルカリが今年はハースのタイトルスポンサーとなっている。
だが、コザンコフはそれでもF1でのロシア人ドライバーが尊重されることはないと次のように続けた。
「彼ら(F1チーム)は微笑んではくれる。だが、ロシア人ドライバーをどこかに連れていくために指一本動かそうとはしない。少なくとも、私の経験ではそうだ」
「80年代にイタリアで行われたテストで、F3チームのオーナーであるグイド・フォルティとフェルディナンド・ラバロットは、この方針はジュニアカテゴリーから始まっていると我々に語っていたよ」
それゆえ、ロシア人がF1に行くのは時間と金の無駄でしかないとコザンコフは次のように付け加えた。
「チームを買うこともできるだろう。だが、それで何をしようと言うんだい? F1など必要ないよ。我々に必要なのは自分たちの選手権を発展させることだ」