アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、現在F1において論争が生じている「トラックリミット」の問題について、「無視する」という解決策を提案した。
これまで以上に「トラックリミット違反」が厳しく取り締まられている2021年F1だが、その判断に一貫性がないことにより、大きな混乱が生じているのも事実だ。
そうした曖昧な判断をなくすために、例えば芝やグラベル(砂利)、もしくはバリアを問題となるコーナーに設置する方がよいと提案する者もいれば、サーキットの白い境界線を世界共通の限界とみなして厳しく取り締まるべきだという者もいる。
しかし、65歳のトストはこの問題に関してドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「私なら、無視するよ」
「もし誰かがコースの外でオーバーテイクしてアドバンテージを得たとしたら、それは受け入れられない。それ以外は、私ならこういうペナルティはすべてやめるね」
「リミットを超えてしまったらタイムを失うことの方が多いんだ。何も得はしない。それ(トラックリミットペナルティ)は、テレビの前の観客を本当に苛立たせるものだよ」
「私の友人たちは私に電話をかけてきてこう言うんだ。『トラックリミットはやめてくれ。誰も理解していないよ』とね」
トストは、ポルティモアで行われた今季のF1第3戦ポルトガルGP予選においてレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがトラックリミット違反でタイムを抹消されたことに言及しながら次のように続けた。
「彼は横風によってほとんどクルマのコントロールを失うところだった。その上、彼はタイムを稼ぐどころか失っていたんだ」
「実際のところ、ドライバーがワイドに走って利益を得られるようなコーナーはほとんどないよ」