今年F1デビューする角田裕毅だが、いくつかのサーキットでは苦戦するだろう。
そう考えているのは角田が所属するアルファタウリのチーム代表フランツ・トストだ。
2020年のF2選手権でルーキーながらランキング3位となりF1への切符をつかんだ20歳の角田だが、実際のところフォーミュラマシンで戦った経験が豊かだとは言えない。
そこでレッドブルのセカンドチームであるアルファタウリは角田を2020年のF1シーズン後テストに参加させるとともに、今年もすでにイタリアのイモラとミサノにおいて2018年仕様トロロッソF1マシンでテストする機会を与えている。
今年は元レッドブルドライバーでもあるピエール・ガスリーと角田のドライバーラインアップで臨むアルファタウリだが、トストは昨年以上の成績をあげることを期待しているようだ。
「明確な目標を確約するつもりはないよ。だが、当然ながら毎年改善、より多くのポイントを獲得したいと思っている」
ドイツのテレビ局『RTL』にそう語ったトストは、2020年シーズンをコンストラクターズランキング7位で終えたアルファタウリが2021年にほかの中団グループチームに打ち勝って4位となる可能性があると思うかと尋ねられると微笑みを浮かべながら次のように答えた。
「夢を見るのは自由だよ」
アルファタウリ・ホンダが中団グループの中で優位に立ちたいと思ったとき、その実現に向けて大きな鍵となるのが今年デビューを飾る角田の働きだろう。
2020年にはチャンスをつかんで第8戦イタリアGPでF1初優勝を遂げたガスリーは今年もコンスタントな活躍を見せることが期待されている。もし角田がガスリーと互角に近い戦いができれば、アルファタウリ・ホンダとしてもトストが言うように多くのポイントを獲得することが期待できそうだ。
トストは、ここまでのテストで角田はいい仕事をして見せたものの、1年目のシーズンだけに浮き沈みもあるだろうと考えている。
「彼にとってはすごく難しいレースもいくつかあるだろうね」
「彼がすでに走ったことがあるサーキットではピエールに迫ることもできると期待している。だが、新たなサーキットでは苦労することになるだろうね。ガスリーが非常に速いドライバーであることを忘れてはならないし、バーは非常に高いんだ」
そう語った65歳のトストは次のように付け加えた。
「だが、ユウキには非常に才能があるということも言っておかなくてはならない」