かつてフェラーリで活躍したジャン・アレジの息子であるジュリアーノのF1昇格の夢がほぼ消えてしまった。
7度のF1ドライバーズタイトル獲得記録を持つミハエル・シューマッハの息子ミック・シューマッハが2021年にF1デビューするのがほぼ確定的だと伝えられる中、1991年から5年間をフェラーリで過ごした経験を持つアレジの21歳の息子には厳しい現実が突きつけられている。
ミック・シューマッハもジュリアーノ・アレジもフェラーリの若手ドライバー育成プログラムであるアカデミーに所属し、いずれも2019年からF2選手権に参戦している。
共に迎えた2020年のF2だが、ミック・シューマッハが現在ドライバーズランキングトップに立っているのに対し、一方のジュリアーノ・アレジは17番手に沈んでしまっている。
現在56歳のジャン・アレジはスイスの『Blick(ブリック)』に次のように語った。
「2021年に向けて我々にはスポンサーがいないし、フェラーリは彼(ジュリアーノ)をアカデミーから解雇してしまった」
「私は自分が所有していたフェラーリF40を売ったが、もはや個人的にこれ以上金を工面することはできない」
ジュリアーノがうまく活躍できなかった理由について質問されたアレジは次のように説明している。
「HWAという間違ったチームに賭けてしまったんだ。彼らに100万ユーロ(約1億2300万円)以上も支払ってね。だが、約束は全て守られることはなかった」
「MPに移籍したとき、HWAはさらに8万ユーロ(約985万円)の支払いを求めてきたよ」
今季は当初HWAレースラボで2年目のシーズンに臨んだジュリアーノ・アレジだったが、開幕戦で6位入賞というまずまずのスタートを切ったものの、その後はまったくポイントを獲得できなかった。
ジュリアーノ・アレジは第10ラウンドとなるソチのレースから日本人ドライバーの松下信治に代わってMPモータースポーツに移籍。だが、そのレースでも結果を出すことができず、ついにフェラーリから引導を渡されてしまったようだ。