レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、まだ自分たちがF1から撤退する可能性も残されていると示唆した。
2021年シーズンいっぱいでエンジンパートナーのホンダがF1から去ることを受け、レッドブルではそのホンダF1エンジンの知的財産権を買い取って当面の間自分たちでエンジン製造を行っていく計画をしている。
だが、それも現在のF1エンジンに関するルールが見直され、少なくとも2025年までの間エンジン開発が凍結されることになった場合だけだとマルコは主張している。
「我々はF1にとどまりたいと思っている」
『f1-insider.com』にそう語ったマルコは次のように付け加えた。
「だが、我々が勝利を目指して戦えることも必要だ。しかし、もしそれが可能でなければ、つまり、普通にエンジンを購入する立場となれば不利だという気持ちが非常に強いし、そうなれば続けることに意味はないからね」
今季のF1第12戦ポルトガルGP決勝(25日)の翌日26日(月)にはF1オーナーのリバティ・メディア、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)、F1エンジンメーカーたちによる会議が行われ、そこでこの件が議論される予定になっている。
だが、フェラーリが2022年からエンジン開発を凍結するという案に反対の立場をとるのは確実だと考えられている。
そうなった場合、レッドブルが次に打つ手のひとつは、今年の6月までチャンピオンチームであるメルセデスのエンジン責任者を務めていたアンディ・コーウェルを引き抜き、自分たちのエンジン製造をサポートさせることではないかとのうわさもある。
コーウェルはメルセデスF1チームの第一線からは退いたものの、少なくとも2021年初旬まではメルセデスに籍を置くことになると言われている。
このコーウェルのうわさについて質問されたクリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)はフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように答えている。
「そういううわさもあるが、私は彼がどういう計画を持っているのかは知らないんだ。だが、我々はまだホンダが行った発表にかかわる処理を続けているところだよ」
一方、レッドブルのセカンドチームであるアルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストは、今後のことに関しては全てレッドブルの判断次第だと次のように語っている。
「自分たちで再びギアボックスやリアサスペンションやその他のコンポーネントを設計しなくてはならないような状況にしたいとは思わないよ。我々としては2つのチーム(レッドブルとアルファタウリ)間の相乗効果をさらに強化し続けたいと思っている」