フェラーリのシャシーエンジニアリング責任者を務めるシモーネ・レスタが、フェラーリは2021年もメルセデスやレッドブルとの差を縮めることはできないだろうと語った。
2019年には最強エンジンを造り上げてきたフェラーリだったが、その合法性に疑問の目が向けられていた。フェラーリは最終的にFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)と秘密の合意を交わしたことでペナルティーを科されることはなかったものの、2020年のエンジンは目に見えて非力なものとなってしまっていた。
こうした中、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、2021年シーズンに向けて新たなエンジン開発に取り組んでいることを明らかにしている。
だが、レスタはイタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』に対し、新型コロナウイルスの影響による開発凍結や制約に言及しながら、2021年もフェラーリに勝利は望めないだろうと次のように語った。
「新しいフロントウイングを設計することはできるだろう。だが、私の創造性の自由度は限定され続けることになる」
「全ての凍結と制約により、1シーズンしかない中でトップチームたちとの差をまた取り戻すことは難しいだろうと考えざるを得ないよ」
だが、前戦F1アイフェルGPが行われたニュルブルクリンクで予選4番手、決勝7位という結果を残したシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、新たな改良パーツによって自分たちが少しずつではあるものの回復基調にあると考えている。
「クルマのハンドリングはかなりよかったよ」
ニュルブルクリンクで投入された改良パーツに言及しながらドイツのテレビ局『RTL』にそう語ったルクレールは次のように付け加えた。
「小さな改良パーツは正しい方向に向かっていた。大きなステップというわけにはいかなかったけれど、そんなことは期待してもいなかったんだ。正しい方向に向かう小さなステップだったよ」
2021年に向けて大きくマシンを改善することが制限されている中、フェラーリとしては小さなステップを積み重ねながら新技術ルールが導入される2022年に備えていくしかなさそうだ。