レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、現チャンピオンチームであるメルセデスを倒すには2022年以降もホンダとの関係を継続することが不可欠だと考えている。
今年はメルセデスに打ち勝ってマックス・フェルスタッペンにF1史上最年少チャンピオンの称号を与えることを目標としていたレッドブルだが、すでにそのチャンスが消えたことを認めるしかない状況となっている。
しかも、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて2021年には原則として2020年型F1マシンをベースとしたもので戦うことになるため、現在の力関係が大きく変わることはないと考えられている。
「我々に大きなチャンスがあるのは2022年だ」
そう語ったホーナーは次のように続けた。
「来年に関しては、クルマの60パーセントが継続使用されることから難しいだろうね。開発やクルマの理解をもっと深めることを通じてその潜在能力をもっと引き出すことができる可能性はあるがね」
2020年はフェラーリが不振にあえいでいることもあり、レッドブル・ホンダがメルセデスに次ぐ明確なナンバー2チームとなっている。
だが、コンストラクターズランキング3番手以下は大混戦となっており、中団グループでは2021年も激戦が続くことになりそうだ。
現在コンストラクターズランキング3番手に位置しているマクラーレンのアンドレアス・ザイドル(チーム代表)は次のように語っている。
「レーシングポイントは(F1チームの中で)3番目に速いクルマを持っているし、ルノーも大きく進歩してきている。我々ももっと改善しなくてはならないよ」
ホーナーも、かつて2014年までレッドブルに所属していたセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)が2021年にはアストンマーティンと名前が変わるレーシングポイントに加入することにしたのは正解だったと考えている。
「彼ら(レーシングポイント)は非常に競争力のあるクルマを手にしている。彼らは来年に向けた基盤を作り上げているよ」
「高い目標を掲げており、予算もあるようだ。セバスチャンも大きな要素となるはずだ。彼は新しい環境のもとで攻めることができるからね」
2022年が打倒メルセデスに向けた最大のチャンスだと考えているレッドブルだが、問題となってくるのはエンジンパートナーのホンダがまだ2022年以降もF1活動を継続するかどうかを明らかにしていないことだろう。
今季のF1第10戦ロシアGPが開催されたソチで今後のホンダの動向に関する質問を受けたホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは次のように答えている。
「私は実際にそのための話し合いには関与していないんです。私が担当しているのは技術部門ですし、私には答えることはできません」
しかし、ホーナーはホンダが2021年以降もエンジンパートナーとしてF1を続けることを強く望んでいる。
「我々は共に密接な仕事を続けなくてはならない」
「私はそうできると確信しているよ」
そう語ったホーナーは次のように付け加えた。
「F1の歴史は、長く続いたメルセデスの優位性もどこかの時点で終わりを迎えるということを示している。それは避けられないことだよ」