7回F1王者となったミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハが、来週末にニュルブルクリンクで開催される2020年F1第11戦アイフェルGPの金曜フリー走行1回目にアルファロメオから出走することが発表された。
また、ミック同様フェラーリの育成ドライバーであるカルム・アイロットも同じくアイフェルGP金曜フリー走行1回目にハースから出走することも明らかになっている。さらに、ハースでは最終戦アブダビGPでもフェラーリのアカデミードライバーであるロベルト・シュワルツマンを金曜フリー走行で起用することになるようだ。
それら3人はいずれも今季のF2シリーズに参戦しており、現時点ではシューマッハがランキングトップに立ち、アイロットが2番手、シュワツルマンが5番手に位置している。
もちろん、その中で最も注目を集めることになるのがシューマッハであることは間違いないだろう。シューマッハに関しては2021年にフェラーリからエンジン供給を受けるアルファロメオでF1デビューする可能性が非常に高いと考えられている。
アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールもそれを示唆するように、ロシアの『Championat(カンピオナ)』に対し、2021年にF1デビューする若手ドライバーがシーズン最初から活躍するのは難しいだろうと次のように語っている。
「10年前には、ドライバーたちは(シーズン前に)19日のテストができていた。だが、2021年に彼らに用意されるのは1日半ほどになる」
「それに、我々は若手ドライバーたちが戦ったことがないサーキットでシーズンを始めることになる。ルーキーたちにとって、F1やタイヤのことを理解するには時間がかかるだろうね。私は彼らに5レースか6レースを与えるつもりだよ」
来週末のF1公式セッションデビューに備え、シューマッハとアイロットは30日(水)にフィオラノ・サーキットでフェラーリの2018年型マシンを使ってテスト走行を行うことになっており、そこにはシュワルツマンも参加すると伝えられている。
フェラーリのスポーティングディレクターを務めるローラン・メキーはこれに関して次のように語っている。
「カルム、ミック、そしてロベルトはF2でそれぞれの力を示してきた。今回は彼らのトレーニングがさらにステップアップすることになる」
2021年のF1デビューがほぼ確定したと伝えられているシューマッハの母国ドイツではすでにかなりその話題で盛り上がっているようだ。
ドイツのテレビ局『RTL』でリポーターを務めるフェリクス・ゴーナーは、ミックは「間違いなくF1に行く用意ができている」と語り、次のように付け加えた。
「今シーズンが始まる頃にはどうなるか分からなかったが、今では誰もそれを疑っていない」
メルセデスの前モータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグは、伝説的ドライバーであるミハエルを父にもつミックは、かつて父親が所属していたフェラーリでチーム代表を務めていたステファノ・ドメニカリのサポートも受けられるだろうと考えている。
2014年シーズン序盤までフェラーリのチーム代表を務め、現在はランボルギーニのCEOを務めているドメニカリは2021年1月からチェイス・キャリーに代わってF1最高経営責任者を務めることになっている。
ハウグはそのドメニカリに言及しながら次のように語った。
「ステファノは、F1がそれによって利益を得られるだけに、ミックが(F1に)昇格するにふさわしいということが非常によく分かるだろう」