2020年のF1開幕戦となったオーストリアGPではバルテリ・ボッタスが、そして同じレッドブルリンクで開催された第2戦シュタイアーマルクGPではルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンを飾ったメルセデスが今季も最強チームとして君臨するのはほぼ間違いないと考えられている。
●【決勝レース結果】2020年F1第2戦シュタイアーマルクGP決勝レースのタイム結果
だが、メルセデスF1チームを率いるチーム代表のトト・ヴォルフは現時点ではまだ何も判断するわけにはいかないと慎重な姿勢を崩していない。
「我々はまだ本当のメルセデスを見てはいないよ。だが、本当のレッドブルもまだ見てはいないんだ」
「マックス(フェルスタッペン/レッドブル・ホンダ)はきれいな空気の中(前にほかのマシンがいない状態)にはいなかったし、ダメージを負ったクルマでレースを終えているからね」
しかし、そのフェルスタッペンはレース後にレッドブル・ホンダの2020年型マシンは「あまりにも遅すぎる」とコメントしている。
しかし、勢いに乗るメルセデスがこのまま最後まで快走を続けられるかどうかはまだ分からない。
「ハンガリー(第3戦/19日決勝)では全長の短いマシンを持つレッドブルがすごく強さを見せる可能性もある」
そう語ったヴォルフは、その一方でメルセデスのF1マシンは気温が高いのを苦手にしていると認め、「そこが我々のもうひとつの弱点だよ」とコメントしている。
しかし、レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコは、ホンダエンジンがメルセデスにパワーで負けているのは確かだと次のように語っている。
「今日はメルセデスエンジンによる違いを見せつけられた」
「ストレートではかなり負けているよ」
しかし、 “壁のないモナコ”と形容されることもあるハンガロリンクで開催される今週末の第3戦ハンガリーGPではレッドブル・ホンダがもっと強さを発揮できるだろうとマルコも期待している。
「あそこは長いストレートはひとつだけだし、あとはコーナーばかりだからね」
マルコはそう語ると次のように続けた。
「それによって我々にとってはいいサーキットになる」
「ブダペストの気温も我々に味方してくれるだろう」
開幕戦オーストリアGP決勝では2台ともにリタイアとなりノーポイントで終えたレッドブル・ホンダだが、シュタイアーマルクGPではフェルスタッペンが3位、アレクサンダー・アルボンが4位となり、2レースを終えた時点でのコンストラクターズランキングではメルセデス、マクラーレンに次ぐ3番手にまで浮上してきている。
その一方で、シュタイアーマルクGP決勝でチームメート同士が同士討ちを演じてノーポイントでレースを終えたフェラーリはレーシングポイントに次ぐランキング5番手に沈んでしまっている。
予選でもセバスチャン・ベッテルが10番手、シャルル・ルクレールが11番手とまったくいいところがなかったフェラーリに関して、元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハは日曜日(12日)の決勝後に次のように語っている。
「パフォーマンスは壊滅的だった」
「もし彼らが最後まで走っていたとしてもポイントがとれていたかどうかは疑わしいね」
母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「苦境に立たされているね。マッティア・ビノット(フェラーリ/チーム代表)は今夜あまり眠れないんじゃないかな」