【F1】中国GPの「延期」を正式発表 ベトナムGPにもキャンセルの可能性
2020年には過去最多となる年間22レースの実施が予定されていたF1だが、そこから2レースが減ってしまう可能性が高くなってきている。
F1統括団体であるFIA（国際自動車連盟）並びにF1は12日（水）に声明を出し、4月19日に決勝が予定されていた今季の第4戦中国GPを“延期”すると発表した。
だが、もちろん振替日程については発表されておらず、最終的には“中止”となる可能性が高いと考えられている。
F1オーナーであるリバティ・メディアの一員であり、現在F1最高責任者を務めているチェイス・キャリーもそれを認めるように次のように語った。
「明らかに、我々のスケジュールは立て込んでおり、この予定を変更することは簡単ではない。シーズン開幕戦まであと1か月となっている時点ではなおのことだ」
さらに、今季初開催が予定されている第3戦ベトナムGP（4月5日決勝）の開催も危ぶまれる状況となってきているのは確かだ。国境を隔てて中国と地続きとなっているベトナムでも11日時点で少なくとも15人の感染が確認されており、感染が疑われる数十名が隔離され、当局の監視下に置かれている状況だ。
FIAは現在の状況について次のように語っている。
「FIAは、ほかのモータースポーツイベントに関しても、このウイルスにかかわる世界的状況を監視し続けていく」
こうした状況を受け、ハースのケビン・マグヌッセンは今年のF1カレンダーから4月に予定されていたベトナムと中国のレースがいずれもキャンセされることも視野に入れておく必要があるだろうと母国デンマークのテレビ局『TV2』に次のように語った。
「様子を見るしかないね」
「ベトナムは中国のひとつ前だ。だからそれも見守る必要があるよ」
「残念だけど、僕たちにとってはちょっとした休暇になるかもね」
伝えられるところによれば、中国GPが正式にキャンセルとなればF1はおよそ3000万ドル（約33億円）の収入を失うことになるという。そして、もしベトナムもキャンセルということになれば収入減はそのほぼ2倍となるわけだ。
だが、F1としては現時点ではベトナムGPはなんとか開催する方向で検討しているようだ。
F1モータースポーツ担当マネジングディレクターのロス・ブラウンは『Reuters（ロイター通信）』に対し「実施は可能だという助言を我々は受けている」と語り、ベトナムで予定通りレースを行う意欲を見せている。
