フェラーリのセバスチャン・ベッテルが、自分と同じドイツ出身ドライバーであるニコ・ヒュルケンベルグが2020年のシートを確保できなかったのは今のF1は「何かが間違っている」ことを示すものだと語った。
2010年にウィリアムズでF1デビューを飾ったヒュルケンベルグは、翌2011年はシートを失ったものの2012年にはフォース・インディア、2013年はザウバー、そして2014年から2016年まで再びフォース・インディアのドライバーを務め、2017年にはルノーに移籍していた。
しかし、ルノーは2020年に向けてヒュルケンベルグとの契約を更新せず、来季はエステバン・オコンをその後任として起用することを決定。
ヒュルケンベルグはハースやアルファロメオ、さらにウィリアムズなどが移籍候補としてうわさされていたが、結局どのチームとも交渉はまとまらず、2020年にはF1グリッドから姿を消すことになった。
ドライバーとしての実力は高く評価されているヒュルケンベルグだが、32歳という年齢から2021年のF1復帰も難しいだろうと考えられており、結局一度も表彰台に上ったことがない最多出走記録を持つドライバーとしてF1キャリアを終えてしまうことになりそうだ。
「おかしな状況だよ。だって僕は一緒にレースをしていた子供のころから彼を知っているからね」
スペインの『Marca(マルカ)』にそう語ったベッテルは次のように続けた。
「彼のようなドライバーがシートを得られないという事実はすごく苦々しいよ。これはF1は何かが間違っているということを示す例だね」
「彼が戻ってくることを期待しているよ。彼にはここにいるだけの力があるんだからね。それに僕も唯一のドイツ人(ドライバー)にはなりたくないし」
現在ヒュルケンベルグのチームメートを務めているダニエル・リカルドも、いつかヒュルケンベルグにはF1復帰を果たして欲しいと考えている。
「彼には間違いなく復帰できるだけの技術があるよ」
2018年までレッドブルに所属していた30歳のリカルドはそう語ると次のように付け加えた。
「もし彼が復帰しないとしても心配はしないだろうけれどね。彼は聡明ですごく進取的だからね。もし彼が何かほかのことをやると決めても、彼はそれにうまく対応できるよ」