セバスチャン・ベッテルは、フェラーリが今季のF1第15戦シンガポールGPで投入した改良パーツにより、本来の調子を取り戻しつつあるようだ。
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ベッテルはシーズン前半にはフェラーリの2019年型マシンになかなか馴染むことが出来ず、不振が続いていた。今や、今季アルファロメオ・ザウバーから移籍してきた21歳のシャルル・ルクレールがベッテルに代わってフェラーリの新ナンバー1ドライバーの地位を確保したと見ている者も多い。
だが、シンガポールGP決勝では3番グリッドからスタートしたベッテルが速さを見せて今季初優勝を達成。続くロシアGPマシントラブルでリタイアとなったものの、先週末に鈴鹿で行われた日本GPではカナダGP以来となる今季2回目のポールポジションを獲得。ベッテルの調子が上向いてきているのは間違いないようだ。
かつてベッテルとともに2010年から2013年にかけて4年連続でF1タイトルを独占してきたレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、シンガポールで投入された改良パーツにより、フェラーリF1マシンがよりベッテルに合うものに変化したのだろうと考えている。
エンジンパワーによって高速サーキットであるスパやモンツァでアドバンテージがあることは明らかだったフェラーリだが、シンガポールGPの舞台となったマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットは本来は苦手なサーキットだと考えられていた。
だが、改良パーツ投入によって苦手だった低速サーキットを克服したマシンは、ベッテルのドライビングスタイルにもうまく合うものとなってきたようだ。
「クルマの開発が進められた方向性によって、彼(ベッテル)のスタイルにうまく合うものになったようだね」とマルコは語っている。
そして、ベッテル本人もシンガポールで投入された新しいフロントウィング、フロア、ディフューザーといったパーツによって以前より走りやすくなったのは確かだと認めている。
「シンガポールに持ち込まれた改良パーツは役に立ったよ」
母国ドイツの『Bild(ビルト)』にそう語ったベッテルは次のように付け加えた。
「そして多分、僕が問題を抱えてしまっていた部分もそれによって助けられたんだと思うよ」