ウィリアムズはF1アゼルバイジャンGPの開催地であるバクーに、金曜フリー走行1回目で大きなダメージを負ってしまったジョージ・ラッセルのF1マシンの損害を弁償するよう求めていくことになりそうだ。
●【予選結果】2019年F1第4戦アゼルバイジャンGP予選Q1-Q2-Q3のタイム、周回数
26日(金)に行われたフリー走行1回目の走行を開始していたラッセルだが、道路のマンホールの上をマシンが通過した際にマンホールの蓋が浮き上がってマシン底部に激突。ラッセルのクルマは大きなダメージを負い、そのセッションばかりかフリー走行2回目もまったく走行することができない状態に陥ってしまった。
■今後補償について話し合うとウィリアムズ
ウィリアムズのチーム副代表を務めるクレア・ウィリアムズは、そのアクシデントによってどれほどの損害を被ることになったのか具体的な金額を明らかにはしなかったものの、今後その補償を求めることを検討していると次のように語った。
「まだ実際のコストを明確にできる段階ではありませんが、私たちは今後それを示すつもりですし、この件に関してFIA(F1統括団体である国際自動車連盟)と話し合うつもりです」
今季ウィリアムズでF1デビューを飾ったばかりのラッセルも次のように語った。
「僕は詳細を全て知っているわけじゃないけれど、当然この状況についてFIAと話し合うことになるだろうね。僕は、自分たちには補償を求める権利があると思っている」
■FIAに責任はないと競技委員のサロ
元F1ドライバーであり、今年のアゼルバイジャンGPでは競技委員を務めているミカ・サロはこの件に関して母国フィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』に次のように語っている。
「あの蓋は2週間にわたって修復されていたものだ。だが、私はそれ以上のことは分からない」
サロによれば、ラッセルの事故後、全部で300個に及ぶマンホールの蓋全てが再チェックされたという。
「それらに問題はなかった。だが、あの1個だけが壊れていたんだ」とサロは付け加えた。
サロは、今回の件はFIAには何の責任もないことだと次のように主張している。
「それは我々の管理下にあるものではなく、地元主催者の責に帰すべきものだ。FIAには何の責任もないよ」
■同様の事故補償には前例も
2017年のマレーシアGPではハースのロマン・グロージャンが同様の事故にあってマシンを損傷したケースがあった。このときはセパン・サーキットがハースにマシン修理費用を支払ったという経緯がある。