レッドブルのジュニアチームであるトロロッソで今季F1デビューを飾ったアレクサンダー・アルボンが、プレッシャーには慣れていると語った。
レッドブルのドライバー育成プログラム責任者であるヘルムート・マルコは、アルボンの活躍は2019年シーズンのサプライズだと語り、昨年F2で年間ランキング3位となったアルボンを今季トロロッソのドライバーに据えたのは正解だったと主張している。
だが、イギリス生まれのタイ人ドライバーであるアルボンにとって、ここまでの道のりは決して平坦だったわけではない。実際のところ、アルボンはかつてレッドブルの若手ドライバー育成プログラムに所属していたものの、2012年に契約を解除されたという経緯もある。
そのアルボンは、今季のF1第3戦中国GPでは土曜日に行われたフリー走行3回目でクラッシュを喫し、マシンを大破させてしまったことで予選出走が不可能となるとともに、日曜日に行われた決勝はピットレーンからスタートせざるを得ない状況に陥っていた。
今季ウィリアムズからF1デビューを飾った2018年のF2チャンピオンであるジョージ・ラッセルはスペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように語っていた。
「レッドブルのジュニアドライバーたちがプレッシャーを抱えているのは誰もが知っていることだと思うよ。だから、彼らはクルマに乗るたびに、常に120パーセントの力で臨んでいるんだ」
だが、ピットレーンからスタートした中国GP決勝でアルボンは見事な追い上げを演じて10位に入賞。そのレースの「ドライバー・オブ・ザ・デー」に選出されている。
「以前はプレッシャーに苦しんでいたよ」
そう語ったアルボンは、以前レッドブルから契約を解除されたのは「いい勉強」だったとし、次のように付け加えている。
「昨年も週末のたびにシートのために戦っていたんだ。だけど、僕はそれ(プレッシャー)には慣れているよ。僕は落ち着いているし、自分に自信もある」
トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストは、23歳のアルボンは2月に行われたプレシーズンテストのときから非常に印象的だったと次のように語っている。
「彼は素晴らしい仕事をしているよ。もし彼がこれを継続できれば、彼は優れたF1ドライバーになるだろうと言わなければならないね」