フェラーリF1チームを率いるマッティア・ビノットが、2018年末にフェラーリを去る寸前だったことを明らかにした。
マウリツィオ・アリバベーネに代わって今季から名門フェラーリのチーム代表を務めることになったビノットは、2019年もメルセデスが必ず自分たちの前に立ちはだかってくるだろうと考えている。
今季のF1プレシーズンテストではフェラーリがライバルたちをしのぐ速さを示す一方、昨年まで5年連続でドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを獲得してきた最強メルセデスにはこれまでの強さが感じられなかった。
■倒すべきチームはメルセデス
だが、ビノットはイタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』に次のように語った。
「倒すべきチームは依然としてメルセデスだと私は思っている」
「彼らは確立された集団だし、どうすれば速いクルマを造ることができるかを知っている。そして彼らには必要な財源も技術もある」
「もし彼らが序盤に何か問題を抱えたとしても、彼らはそれを解決するだろう」
とは言え、ビノットもフェラーリの2019年型F1マシンには自信を持っているようだ。フェラーリ2019年型車SF90は安定しており、意図した通りに機能し、安定感もあると語ったビノットは次のように付け加えた。
「我々はそれを追い求めていたんだ。それが昨シーズンのクルマが抱えていた問題のひとつだったからね」
■フェラーリを去る寸前だったビノット
ビノットはさらに、チーム代表を務めていたアリバベーネとの間に確執が生じていたことで、2018年限りでフェラーリを去るつもりでいたのだと明かし、次のように語った。
「私は、もはや自分の仕事をうまくやることができるポジションにはいないと考え、それを明らかにしたんだ」
「ほかのいくつかのチームが誘いをかけてきたのは事実だよ。彼らは私の経験がF1では価値があると見ていたんだ」
伝えられるところによれば、そうした状況を受け、昨年急逝した前会長セルジオ・マルキオンネの後任としてフェラーリ新会長に就任したジョン・エルカーンらフェラーリ首脳陣がビノットの流出を防ぐためにアリバベーネの更迭を決めたのだと言われている。
■アリバベーネとは考え方が違っていた
だが、ビノットはアリバベーネに対しては個人的に悪感情など抱いていないと主張している。
「私は常に全員から学んでいるし、マウリツィオからもそうだ。そして私はそのことで彼に感謝しているよ」
「個人的な関係は常によかったんだ。けんかをしたことなど一度もなかったよ」
そう語った49歳のビノットは次のように付け加えた。
「問題はビジョンやグループやレース週末でのマネジメントに関するものだった。我々の視点が違っていたんだ」