フェラーリは10年間チャンピオンを獲得していないにもかかわらず、F1の賞金を最も多く受け取るチームになるだろうと『RaceFans』は述べている。
F1を運営するリバティ・メディアは、チームに10億400万ドル(約1,124億円)の賞金を分配する予定だ。
2019年のF1賞金は、昨年のチャンピオンシップでのチームの成績に基づいて計算され、フェラーリが2億500万ドル(約229億円)を回収する見込みだ。
昨シーズンで5年連続でコンストラクターズチャンピオンシップを獲得したメルセデスは、1億7,700万ドル(約198億円)を受け取ることになるだろう。
ハースは、昨年のチャンピオンシップで5位という最高の結果を達成し、賞金収入が全チーム中最も上昇した。しかし、その金額は最下位だったウィリアムズよりわずか1000万ドル(約11億円)多いに過ぎない。
■F1から支払われる賞金構造
リバティ・メディアから受け取るチームの収入は3つの部分に分けられる。
1つ目の項目「A」は、過去3シーズンのうち2シーズンで年間トップ10以内に入ったチームに支払われる固定収入だ。現在は10チームしかないため、全チームへ均等に3500万ドル(約39億円)が支払われている。
2つ目の項目「B」は、前年のチャンピオンシップでのチームの最終順位に基づいてスライド式に支払われる。チャンピオンを獲得したメルセデスは6600万ドル(約74億円)、2位のフェラーリは5600万ドル(約63億円)、最下位のウィリアムズは15万ドル(約17億円)となっている。
そして3つ目は、5つのチームが以下のさらなる金額を受け取るものだ。
まず「コンストラクターズ・チャンピオンシップ・ボーナス(CCB)」は4チームに支払われる。フェラーリ、メルセデス、レッドブル、マクラーレンだ。
「他」の3チームは1000万ドル(ウィリアムズは約11億円)から3500万ドル(メルセデスとレッドブルは各39億円)までの範囲のボーナスを受け取る。
そして「長年参戦しているチーム(LST=Long-Standing Team)」のフェラーリだけに特別ボーナスが支払われる。このLSTによる今年の支払いは7,300万ドル相当(約83億円)となり、現在の賞金システムが2013年に導入されて以来、フェラーリが常に全チームの中で最も多くの賞金を受け取ることを保証している。
■レーシングポイントは新規チームのはずが・・・
リバティ・メディアはレーシングポイントに項目「A」の支払いをする予定だ。F1は昨年の夏にフォース・インディアからレーシングポイントへと変わった際、新規参入チームとしてコンストラクターポイントをゼロにしていた。
項目「A」は、3シーズン中2シーズンで年間トップ10に入らなければならないとしているため、本来であれば項目「A」は該当しないはずだが、ここではレーシングポイントは過去3シーズンを戦ってきたフォース・インディアと同じチームとして計算されている。
ザウバーは2019年からアルファロメオ・レーシングとしてリブランドしているが、エントリーしている会社名は同じザウバーで変わりない。
■【F1賞金額】(単位:百万ドル)
チーム | A | B | 計 | LST | CCB | 他 | 合計 | 分配率 | 2018比(%) | 2018成績 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フェラーリ | 35 | 56 | 91 | 73 | 41 | 205 | 20.4% | +5.7% | 2位 | |
メルセデス | 35 | 66 | 101 | 41 | 35 | 177 | 17.6% | +4.1% | 1位 | |
レッドブル | 35 | 46 | 81 | 36 | 35 | 152 | 15.1% | +4.1% | 3位 | |
マクラーレン | 35 | 32 | 67 | 33 | 100 | 10.0% | +23.5% | 6位 | ||
ルノー | 35 | 38 | 73 | 73 | 7.3% | +17.7% | 4位 | |||
ハース | 35 | 35 | 70 | 70 | 7.0% | +32.1% | 5位 | |||
ウィリアムズ | 35 | 15 | 50 | 10 | 60 | 6.0% | -21.1% | 10位 | ||
レーシングポイント | 35 | 24 | 59 | 59 | 5.9% | -14.5% | 7位 | |||
ザウバー | 35 | 21 | 56 | 56 | 5.6% | +21.7% | 8位 | |||
トロロッソ | 35 | 17 | 52 | 52 | 5.2% | -7.1% | 9位 | |||
計 | 350 | 350 | 700 | 73 | 151 | 80 | 1004 | |||
構成比 | 35% | 35% | 70% | 7% | 15% | 8% | 100% |
※A=3シーズン中2シーズンでトップ10入りしたチームへの分配金
※B=2018年の順位に基づく分配金
※LST=Long-Standing Team(長期参戦チーム)
※CCB=Constructor's Championship Bonus(コンストラクターズ・チャンピオンシップ・ボーナス)