セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、今季のF1タイトル争いにおいてターニングポイントとなったのは第15戦シンガポールGPだったと語った。
実際のところ、F1関係者やファンの中にはその1レース前の第14戦ドイツGPがフェラーリ失速のきっかけだったと考えている者が多い。
ベッテルが母国ドイツのホッケンハイムで行われる第14戦を迎えた時点ではランキングトップのハミルトンとは17ポイント差だった。そして、ドイツGP決勝ではトップを快走し、ここでそのポイント差を大きく縮めることになると思われた。
ところが、ベッテルは信じられないミスを犯してクラッシュ。ここでハミルトンとのポイント差は逆に30ポイントに開いてしまったのだ。
しかし、ベッテルはそうではないと『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「僕にとってはシンガポールだったんだ」
「あそこから、僕たちにはメルセデスについていけるだけのペースがなくなってしまった。その後2、3レースにわたってね」
「そして、ほかにもまずいことがいくつか起きてしまったんだ」
「チームや僕が犯したいくつかのミスにより、僕たちはポイントを積み重ねることができなかった」
とはいえ、ベッテルも地元ファンの声援を受けながら走ったホッケンハイムでのクラッシュが「一番痛かった」と認め、次のように語った。
「僕は今年かなりミスを犯してしまったけれど、おそらくあれ(ドイツGP)が一番高くついたね」
「ハードに攻めていれば、時には行き過ぎてしまうこともあるんだ」
しかし、ベッテルはそのことが自分の精神的な面に影響を及ぼしたわけではないと次のように続けた。
「僕はそういうことについてはあまり考えないようにしているんだ。あれもレースの一部だし、ほかのドライバーにだって起きることだからね」
「最近の数週間にわたって僕たちがペースとスピードに問題を抱えてしまったことが、それよりももっと致命的なことだったんだと思うよ」
ベッテルは、今季のF1ドライバーズタイトルを取り逃したとはいえ、そのことがチームとして狙っているコンストラクターズタイトル争いに影響を及ぼすことはないと次のように付け加えている。
「僕たちはメルセデスを王座から引きずり下ろそうと取り組んでいるし、それが来年に向けての予兆になればと思っている。次の2週で反撃し、可能な限りいい形でシーズンを終えることができるのは分かっているよ」