先週末に行われた今季のF1第12戦ハンガリーGP決勝でメルセデスのバルテリ・ボッタスはレース終盤まで優勝したチームメートのルイス・ハミルトンに次ぐ2番手の位置を走行していた。
だが、早めにピットに入る戦略をとっていたボッタスのタイヤはすでに限界を迎えており、セバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンのフェラーリ勢、さらにはレッドブルのダニエル・リカルドにもオーバーテイクを許し、結局5位でレースを終えている。
■ウイングマンという表現に反発したボッタス
メルセデスF1チームを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフはレース後にボッタスの健闘をたたえたが、その際「ウイングマン」という語を用いていた。これはサポート役を意味する語だ。
このヴォルフのコメントに対し、ボッタスは当初不快感をあらわにしていた。
「まず、ウイングマンというのは間違いだよ」
母国フィンランドのテレビ局『MTV』にそう語ったボッタスは次のように続けた。
「次に、僕にはこのレースがいいものだったとは思えない」
そしてボッタスは、自分のことをウイングマンだと語ったヴォルフとは「話し合う必要がある」と付け加えていた。
■よくある誤解に過ぎないとヴォルフ
このボッタスの反応を耳にしたヴォルフは、あれはドライバーとチームがうまくやっていく過程でよく発生する誤解に過ぎなかったのだと次のように語った。
「我々のところにはナンバー1やナンバー2だという区別はない。私は単に彼のレースのことを話しただけだ。ウイングマンという語は正当なものではなかったかもしれない。だが、彼は驚くべきレースをしたし、ルイスがリードを広げることを助けたんだ」
■落ち着きを取り戻したボッタス
その後落ち着きを取り戻したと見えるボッタスは、ウイングマン発言についてことさら話し合う必要はないとSNSを通じて次のようにコメントしている。
「僕は自分の結果に失望していたし、しばらくはすべてのことを否定的に見るしかできなかったんだ。僕は彼(ヴォルフ)が言わんとしていたことは分かっているよ」
「僕たちは平等の扱いを受けているし、僕もこれについてはチームを100%信頼している」
■シーズン終盤にはサポート役に回る覚悟も
だが、現在ポイントランキング4位のボッタスは、トップに位置しているハミルトンとはすでに81ポイント差がついている。
ボッタスもこうした状況からすれば最終的には自分がハミルトンのサポート役に回る時が来るかもしれないし、それを受け入れる心づもりはできているとメディアに対して次のように語った。
「僕たちはシーズン前半を終えたところだけど、ポイント差は大きい。当然、チームとしてはどこかの時点で(チームオーダー発令の)決断をするだろうね」