メルセデスの親会社であるダイムラーのディーター・ツェッチェ会長が、フェラーリのトップ交代により今後F1がどうなっていくか分からないと語った。
■突然表舞台から姿を消したマルキオンネ
フィアット・クライスラーのCEOであり、フェラーリ会長も務めていたセルジオ・マルキオンネは現在重篤な状態にあると伝えられている。
これを受けてフィアット・クライスラー会長のジョン・エルカーンがフェラーリ新会長に、そして元フィリップ・モーリス会長のルイス・カミレリがフェラーリ社長に就任することが発表された。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、エルカーンとカミレリは23日(月)にフェラーリF1のチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネと会ったようだ。
そしてその面談にはビデオ会議形式でドライバーのセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンも参加していたという。
その後、エルカーンは「F1タイトルを勝ちとることがフェラーリにおける唯一の目標だ」と語ったと報じられている。
■トップ交代でライコネン続投の方向に?
フェラーリ首脳部の突然の交代劇はF1チーム運営にも大きな影響を及ぼすものと考えられている。
伝えられるところによれば、マルキオンネはフェラーリの育成ドライバーであり、今季ザウバーからF1デビューを飾って素晴らしい活躍を見せているシャルル・ルクレールをライコネンに替えて2019年にベッテルのチームメートに抜てきするつもりでいたようだ。
だが、新フェラーリ首脳部はベッテルやアリバベーネの意向をくんで来季もライコネンを続投させる方向であると考えられている。
■今後に向けて不安を示すダイムラー会長
だが、今回のフェラーリ首脳交代劇はライバルチームの関係者にも不安を与えているようだ。
「我々はライバルでもあったが、これまで常にセルジオ(マルキオンネ)とは一緒にうまくやってきていた」
イタリアの『ANSA通信』にそう語ったツェッチェは次のように続けた。
「今後どうなっていくのかは私には分からない。またやり直さなくてはならないからね。セルジオのときと同じようにこれからもいい関係を保っていけると信じて疑わないよ」
「しかしながら、共に取り組んでいくために我々が特定の地点までたどり着いていたのは確かだ。それはもはや可能ではなくなった」
マルキオンネとのこれまでの関係についてそう語ったツェッチェは次のように付け加えた。
「今後に向けて、大きな疑問符がつくことになる」