イタリアの複数のメディアが報じたところによれば、前フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは現在昏睡(こんすい)状態にあり、ジュネーブにある病院で集中的な治療が行われているようだ。
フェラーリは21日(土)に声明を出し、健康上の理由によりマルキオンネが職務復帰することが不可能となったためフィアット・クライスラー社の会長を務めるジョン・エルカーンがフェラーリ会長に就任することになったと発表した。
フィアット・クライスラーのCEOを務め、2014年10月からはフェラーリ会長も兼務して積極的にF1ビジネスにもかかわってきていたマルキオンネが突然表舞台から消えたことに驚いた関係者も多かったが、現在もフィアット・クライスラーならびにフェラーリはマルキオンネの現在の状態について正式なコメントを出すことは行っていない。
だが、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、マルキオンネは肩の手術による合併症を起こし、3週間以上にわたってスイスのチューリッヒにある病院に入院しているという。
その肩の手術がどういうもので、どうしてその手術の後に昏睡状態に陥るほど病状が悪化したのかなど詳しいことは一切明らかになっていない。
だが、別の関係者によれば、66歳のマルキオンネはもともと肺がんを患っており、それが悪化して昏睡状態に陥ったようだとのうわさもあるようだ。
イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』は、集中治療室の医師たちはマルキオンネの自力呼吸を誘発しようと鎮静作用を弱めることを試みたものの、それは失敗に終わったようだと報じている。
こうした状況により、マルキオンネが危篤状態にあり、回復が望めない状態にあるのは間違いないと考えられている。
イタリアのジュゼッペ・コンテ首相はマルキオンネに関し、次のようなコメントを出している。
「セルジオ・マルキオンネ氏の容体に関する最新のニュースを聞き、深い悲しみを覚えている」
「今は彼のご家族のために祈りたいと思う」