ウィリアムズのチーム代表を務めるクレア・ウィリアムズが、今シーズンは現時点でコンストラクターズランキング最下位に沈んでいるもののこれからも戦い続けると主張した。
■不振にあえぐかつての名門チーム
コンストラクターズタイトル9回、ドライバーズタイトル7回の獲得記録を持つ名門プライベートF1チームのウィリアムズだが、ランス・ストロールとセルゲイ・シロトキンという若いドライバーコンビで臨んだ今季はクルマのパフォーマンス不足もあり、苦しい立場に置かれてしまっている。
ウィリアムズの2018年型F1マシンは2016年シーズンまで最強メルセデスの技術責任者を務めていたパディ・ロウが本格的に設計を統括したクルマだ。しかし、現時点ではかなり乗りにくいクルマになっていると言われている。
■掲げた目標は現実的なものだった
クレアは2018年型車の設計において特に大きなリスクを冒していたわけではないとカナダの『La Presse(プレス)』に次のように語った。
「私たちは勝てるだろうと考えてシーズンに臨んだわけではありませんでした」
「私たちはそれほどうぶではありません。私たちは誰もが心の底ではフェラーリ、メルセデス、レッドブルと戦うことはとてつもない挑戦であることが分かっています。彼らには予算やスタッフなど十分なリソースがありますし、コンスタントに進歩していますからね」
「私たちは現実的な目標を掲げたと私は考えていますので、今非常に大きな失望を抱えていると言ってもまだ控えめな表現だと言えるでしょう。ですが、まだ望みはあります。これはスポーツですし、すべてのチームに浮き沈みがつきものだからです」
「これから、私たちはもっと詳細に調査し、懸命に取り組み、必要な修正を行って前進していかなくてはなりません」
■母親とチーム副代表という二足のわらじをはくクレア
チーム設立者であり、現在もチーム代表の肩書を持つフランク・ウィリアムズの娘であるクレアは、2017年10月に男の子を出産している。母親となったことがチーム副代表としての職務を遂行することを複雑にしているのではないかと質問されたクレアは次のように答えた。
「難しいですね。しかし、私は重要な地位に就いた初めての母親ではありませんし、私の先輩たちはうまくやってのけました」
「最大の問題は組織と時間の管理なんです」
■これからも戦い続ける
そう語ったクレアは、スポーツ面において優先すべきことはウィリアムズを現在の状況から抜け出させることだと次のように続けた。
「状況にどう対応するかによって違いが出てきます。うまくいっていないのであれば、とにかく前進し、次のレース、次のシーズンに備えるのです」
「私たちはこれからも戦います。それは確かです」
■目指す方向ははっきりしている
ウィリアムズでは最近チーフデザイナーを務めていたエド・ウッドや空力責任者を務めていたディルク・デ・ビアがチームを離脱したことが明らかとなっている。
だが、クレアはチームの株主でもあるチーフテクニカルオフィサーのロウがうまくチームを立て直してくれるはずだと考えている。
「私たちはどこを手直しすればいいかということについて非常にはっきりした計画を有しています。いくつかの変更はすぐに実行される予定ですが、そのほかのものについてはもっと長くかかるでしょう」
そう語ったクレアは次のように付け加えた。
「しかし、私たちは自分たちがどこを目指しているのかが分かっています。そして私たちはこれまで同様非常に高い野心を抱いていると断言することができます」