ルノーF1プロジェクトを率いるシリル・アビテブールが、またレッドブルに対する不満を口にした。
2007年からレッドブルのエンジンサプライヤーを務めているルノーだが、ここ数年は両者の関係が著しく悪化してきているのも事実だ。
レッドブルは昨年限りでマクラーレンとの関係が解消されたホンダを今季ジュニアチームであるトロロッソのエンジンサプライヤーに迎えており、ホンダPUの開発状況によっては2019年にはレッドブルもホンダPUにスイッチすることを検討している。
ルノーはレッドブルに対して5月末までに2019年も自分たちのPUを使うかどうかをはっきりさせて欲しいと要求してきているが、レッドブルは早くても次戦F1カナダGP(6月10日決勝)までは決定できないという姿勢を崩していない。
■レッドブルは責任ある姿勢を見せよとアビテブール
これまでにもそうしたレッドブルの姿勢に対して批判的なコメントを行っていたアビテブール(マネジングディレクター)は、母国フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』にも次のように語った。
「レッドブルは責任ある姿勢を示すべきだと思っている」
「彼らにはすでに必要とされるすべてのデータを渡しているんだ。彼らがなぜあいまいな態度を取るのか私には理解できないよ。彼らはカナダまで時間が欲しいと言うが、モントリオールでのレースが終わった次の月曜に何か天からのお告げが来るわけでもないだろう」
「彼らはホンダを喜ばせながらルノーを待たせている。だが、我々も無期限に待つことなどできないよ」
■ルノーももはや単なるエンジンサプライヤーではない
アビテブールは、いずれにしても自らのフルワークスチームを有している以上、今後ルノーとしてはライバルチームの成功を助けることよりも自分たち自身の成功を目指すことに集中していくようになるだろうと次のように続けた。
「ほかのことはすべて我々のプロジェクトにとっては付加的なものだ」
「私としてはこれからの3年間をレッドブルとともに我々のチームが進歩することを望んでいる。だが、こうしたつながりもいつかは立ち切る必要が出てくるだろう」
「それは今年か来年か、あるいはもっと先のことになるかもしれないし、その間はレッドブルが我々を支援し続けることができる。そしてそれぞれが別々に認識される必要のある時期がやってくるはずだ」
そう語ったアビテブールは次のように付け加えた。
「誰もメルセデスあるいはフェラーリがレッドブルにエンジン供給を行うことを想像できないはずだ。だから、ルノーもそれと同じだという考えに慣れていくことも必要なんだ。我々は自分たちがエンジンサプライヤーを務めるという時代に別れを告げることになるだろうね」