先週末に行われた今季のF1第4戦アゼルバイジャンGP決勝では運にも恵まれたルイス・ハミルトン(メルセデス)が今季初優勝を達成。第3戦終了時ではランキングトップにいたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は4位に終わり、現時点では4ポイント差でハミルトンが新たなポイントリーダーとなっている。
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だが、ランキングトップの座から滑り落ちてしまったベッテルだが、まったく落胆はしていないようだ。
■運に勝敗が支配されたアゼルバイジャンGP
実際のところ、終盤にもしレッドブル勢の同士打ちによるセーフティカー導入がなければ、ベッテルがかなりの確率で勝利を得ていた可能性が高い。
さらに、セーフティカーが戻ってレースが再開されたときにベッテルがターン1でボッタスを追い抜こうとしてミスさえ犯さなければ少なくとも2位の位置を確保してランキングトップの座は守れていたはずだ。
しかも、ボッタスはその後パンクしてリタイアとなっており、もしベッテルが無理にボッタスを追い抜こうとしなければそのままベッテルがトップでフィニッシュできていたはずだ。
つまり、アゼルバイジャンではハミルトンが優勝したとは言え、それはいわゆる“棚からぼたもち”的に転がり込んできた勝利であり、現時点ではハミルトンがライバルを寄せ付けない強さを見せているわけではないということだ。
■今はフェラーリの方が強いと認めるハミルトン
実際、ハミルトンもレース後のバクーで次のように語っている。
「正直に言うけれど、僕は週末ずっと苦しんでいたんだ。間違いなく、僕はクルマや自分自身の力を引き出せないでいた」
そのハミルトンは、現時点ではフェラーリの方がメルセデスよりもかなりペースがいいと認めている。
■何も心配はしていないとベッテル
ベッテルも、アゼルバイジャンではポイントリーダーの座から滑り落ちてしまったものの、自分自身と今季のフェラーリF1マシンは強さを発揮することができているという自信を抱いているようだ。
「今回の結果によって何も変わらないよ。僕たちにはいいクルマがある。僕は心配などしていないよ」
今季の第2戦から3連続ポールポジション獲得を達成したベッテルはそう語ると次のように付け加えた。
「昨年と比べて大きく違うのは、今の僕たちにはポールをとれるだけの速さがあるということさ。以前はそこが問題だったからね」
■いいクルマさえあれば再逆転できる
だがベッテルも、ほぼアゼルバイジャンでの勝利を手中に収めたかと思われた瞬間にコース上の破片を踏んでタイヤをパンクさせてしまったボッタスを気の毒に思っているようだ。
今年のバクーではボッタスが勝利にふさわしかったと認めたベッテルは、「だけど僕たちのスポーツではああいうことも起こるものなんだ」と語り、次のように付け加えた。
「僕にとって最も重要なことは、自分たちがいいクルマを手にしているということだよ。これからもずっといいクルマであり続けるようにしていかないとね」