【F1 TV】新サービス『F1 TV』とは？有料版、無料版？日本ではどうなる？
F1は、2018年のFIA F1世界選手権シーズンから『F1 TV』を2018年シーズンから始めると発表した。
■『F1 TV』とは？
『F1 TV』は、F1を複数のデバイス（端末）で観ることができるOTT（Over The Top/ストリーミング）プラットフォームだ。
世界の多くのF1ファンは、多国語による解説付きで各レースのライブストリーミングをコマーシャル無しで視聴できる。さらに、全レースの各セッション中に全20人のドライバーの車載カメラすべてを切り替えて観ることができる。
■有料版『F1 TV Pro』
『F1 TV Pro』は、マルチレベルで個々の好みに合わせた機能を備えており、他のプラットフォームでは利用できない独特の環境を提供する。
有料加入者は、自分が観たいコンテンツを、いつ、どのように観るかを選択することができるという。フリー走行、予選、レースのみならず、記者会見やレース前後のインタビューなどがライブ中継で観ることができる。
また、主なサポートシリーズ、FIA F2選手権、GP3シリーズ、ポルシェスーパーカップなどのライブ中継を観ることができる。
■配信エリア、金額
『F1 TV』は4言語（英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語）で提供され、約20地域58カ国（ドイツ、フランス、ベルギー、オーストリア、ハンガリー、アメリカ、メキシコ、多くのラテンアメリカ含む）で配信される予定だ。
端末は、デスクトップやウェブ、モバイルアプリに加え、TVアプリ（Amazon、アップル、アンドロイド）へ段階的に導入され、ユーザーは追加費用なしで様々なデバイスから視聴できる。
『F1 TV Pro』は、月額8〜12ドル（約900円〜1300円）で提供され、年間契約は市場ごとに異なるものの割安になり、約100ドル（約1万700円）程度のようだ。
■『F1 TV Access』は、ほぼ全世界対応
ライブ中継は行われず録画配信にはなるが、より安価な『F1 TV Access』では、これまで同様にライブでのレースタイミングデータとラジオ解説、レース週末での各セッションのハイライトが提供される。
また、これまでになかったサービスとして、F1の歴史的アーカイブビデオも視聴可能になるという。『F1 TV Access』は『F1 TV Pro』を補完するべく、立ち上げ時にほぼ全世界で利用可能になる。
『F1 TV』コンテンツをグローバルに配信するCDNおよび接続サービスは、F1オフィシャルコネクティビティプロバイダである『タタ・コミュニケーションズ（TATA Communications）』によって提供されるという。
■売上見込みと今後の予定
F1デジタル＆ニュービジネスディレクターのフランク・アートーファ（Frank Arthofer, F1 Director of Digital and New Business）は、世界の視聴可能な国で500万人ものファンを獲得でき、その年間売上は5億ドル（約534億円）に達すると見込んでいる。
また最もプレッシャーに感じているのは「投資額よりも、優れた製品を提供し、安定した体験を提供すること」だという。世界中からの同時アクセスによるサーバーやネットワークの負荷増大より、ライブ中継が観られない事態は避けたいということだ。
そのため「開幕戦オーストラリアGPでは、まずデスクトップ版だけで始め、動作を確実にしてからモバイルアプリを開始し、その後テレビに接続されたTVデバイス版を開始する」計画だという。
また、このF1ストリーミング計画は、従来のテレビ放送局との契約にパッケージとして組み込むことができると強調した。
「例えばイギリスのようにこういった権利がなかった市場については、パートナーと協力して、この新製品を放送局の顧客（有料視聴者）に販売する方法を検討している」
また、技術パートナーと協力し、視聴不可としている国からVPNアクセスを使用してIPアドレス制限を回避する不正な視聴については、積極的にブロックしていくという。
■日本ではどうなる？
今のところ『F1 TV』については日本を含むアジア圏での配信予定はされていない。これは、2016年から2022年までアジア地域で放映権を包括的に抑えたFOXスポーツ・アジアとの契約によるものと思われる。『Sky Sports（スカイ・スポーツ）』が2024年まで契約しているイギリスを含む他の地域でも同様だ。
また、すでに日本のTV放映は『フジテレビNEXT』が2018年F1シーズンの放映スケジュールを発表済み。これまで同様「スカパー！」「J：COM」「ひかりTV」経由で「フジテレビNEXTライブ・プレミアム」に加入することでTV放送を観ることができ、インターネット配信『フジテレビNEXTsmart』では「公式予選」「決勝」を生中継のインターネットライブ配信で視聴可能となる。
インターネット配信の『DAZN』についても2018年F1シーズンの配信を発表しており、さらに今回『F1 TV』で発表されたような複数画面を切り替えられる可能性を示唆している。
