スイスに本拠を置くF1チームであるザウバーが29日(水)に声明を出し、イタリアの名門自動車会社アルファロメオと複数年に及ぶ商業的パートナーシップ契約を結んだことを明らかにした。
声明によれば、現在フィアット・クライスラーの傘下にあるアルファロメオが2018年からザウバーのタイトルスポンサーを務めることになるという。これにより、アルファロメオの名前が31年ぶりにF1に復活することになる。
今回の契約締結により、ザウバーは今後アルファロメオと商業的および技術的協力関係を築くことになり、エンジニアリングや技術ノウハウの交換やF1における新たな機会創出に共同で取り組んでいくことになる。
これまでのうわさでは、2018年以降ザウバーが搭載するフェラーリPU(パワーユニット)にアルファロメオというブランド名が与えられるのではないかと言われていた。
だが、今回ザウバーが発表した声明によれば、登録チーム名がアルファロメオ・ザウバーとなり、PU名はフェラーリのままとなるようだ。もちろん、2018年のザウバーF1カーはアルファロメオのロゴをまとうことになる。
なお、一部の報道ではこの発表と同時にザウバーの2018年ドライバーラインアップも発表されるのではないかと伝えられていたが、現時点ではドライバーに関する発表は行われていない。
今回の声明の中でフェラーリ会長を兼任することでも知られるフィアット・クライスラーCEOのセルジオ・マルキオンネと、ザウバー会長のパスカル・ピクシーは声明の中でそれぞれ次のようにコメントしている。
■セルジオ・マルキオンネ(フィアット・クライスラーCEO)
「ザウバーF1チームとの合意は30年以上の時を経てF1に復活することになるアルファロメオのブランド再編において大きな意味を持つものだ。名高いブランド名はこのスポーツの歴史づくりに貢献したが、アルファロメオはF1に参戦しているほかの大手自動車メーカーの仲間入りを果たすことになる。アルファロメオ自身も多くの経験を持つパートナーのザウバーF1チームとテクノロジーや戦略ノウハウを共有することで利益を得ることができる。アルファロメオのエンジニアや技術者たちはすでに新たに発表したジュリアやステルヴィオを通じて自分たちの能力を示しているが、その経験をザウバーF1チームで生かすというチャンスを得ることになる。それと同時に、アルファロメオのファンも再びユニークかつ伝説的なスポーツの歴史にまたこの自動車メーカーが新たな章を刻むのを応援することができる」
■パスカル・ピクシー(ザウバー会長)
「アルファロメオをザウバーF1チームに迎えることになったのを非常にうれしくおもっている。アルファロメオはグランプリレースにおいて長い成功の歴史を持っている。国際的に名の知れた会社が最高峰モータースポーツに復帰するにあたって我々をパートナーとして選択してくれたことを非常に誇りに感じている。自動車メーカーと緊密に仕事ができるのはザウバーグループの今後の技術的・エンジニアリングプロジェクトの発展に向けて素晴らしいチャンスとなる。我々が協力することでアルファロメオ・ザウバーF1チームを素晴らしい成功に導くことができると確信しているし、長く、実りのあるパートナーシップが始まることを楽しみにしている」