元F1ドライバーのアラン・プロストが、2018年に開始されるマクラーレンとルノーの協力関係は両者にとってメリットがあるはずだと語った。
以前からうわさに上っていたマクラーレンとホンダの決別だが、ついに2週間前のシンガポールでそれが正式に発表された。そしてマクラーレンは2018年以降ルノーからPU(パワーユニット)の供給を受けることも併せて発表されている。
■今のF1パワーユニットはあまりにも複雑
現役時代には今は亡きアイルトン・セナの最大のライバルでもあったプロストだが、現在は母国フランスが代表する自動車会社ルノーのワークスF1チームで特別アドバイザーを務めている。
そのプロストは、現在の非常に複雑なF1パワーユニットに対応しきれなかったホンダに同情するようにフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「正直に言って、V6ターボの先駆者であるルノーでさえ、この並外れたパワーユニットには手を焼いている」
「4年たってもまだメルセデスのレベルには到達していないんだからね」
■マクラーレンはもう待てなかった
4度F1王座に輝いた実績を持つプロストは、マクラーレンもフェルナンド・アロンソもこれ以上ホンダの改善を待つ余裕がなかったのだと次のように続けた。
「彼ら(マクラーレン)は5年間にわたって1勝もできていないが、ホンダと組むことですぐに過去と同じような最高のときを迎えられると信じていたはずだ」
「それに加えてフェルナンド・アロンソという大物も加わっていたわけだし、彼もすぐに勝利を得たいと思っているだけにね」
■マクラーレンと組むことでルノーにもメリットが
だが、2018年は、マクラーレンと、恐らくは来季もマクラーレンに残留することになるアロンソによるプレッシャーを受けることになるのはルノーになるわけだ。
しかし、プロストはマクラーレン・ルノーの誕生は両者にとって好ましいものだと考えている。
「ルノーのエンジンは最高のものだとは言えないだろう。だが、その域に到達しつつあるし、来年はメルセデスとの差もごくわずかになるはずだ。そしてそのわずかな差は、パフォーマンスに貢献する何かほかの要素によって埋め合わせることができるだろう」
そう述べた62歳のプロストは、次のように付け加えた。
「そして、F1の栄枯盛衰を非常によく知っているマクラーレンも、ルノーに多くをもたらしてくれるはずだ」