メルセデスでは、チームとしてルイス・ハミルトンの普段の言動に口をはさむつもりはないようだ。
何かと世間を騒がせる言動が多いことで知られるハミルトンだが、最近もアメリカの政治問題、ファッション、さらには自らのセレブとしての立場や菜食主義に関する極端な持論を展開し続けている。
■ハミルトンを監禁しておくわけにはいかない
こうしたことに関して、メルセデスのモータスポーツ担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「もし彼がフェラーリの市販車に乗りたいと思えば、彼はそうするんだ。彼を檻(おり)の中に閉じ込めておくわけにはいかないからね」
「時には、我々の白髪が増えることもあるよ。だが、困難なときに、我々がクルマに乗って欲しいと思うのは彼なんだ」
■メルセデスに操り人形は不要
メルセデスのマーケティング責任者であるイェンス・ティーマーも、ハミルトンの言動を問題視しているようなことはないと次のように語った。
「操り人形やロボットに我々のアンバサダーを任せたいとは思っていないよ。中には扱うのが難しい人物もいるものさ。だが私は、彼らにあまりにも多くのルールを科すのは間違いだと思っているんだ」
「ドライバーたちは自分たちが象徴するブランドを大事にすることが求められる。だが同時に我々も彼らの個性を奪ってはならないんだ」
■ボッタス加入でチームの雰囲気も変化
そのハミルトンだが、昨年までは子供時代からの友人であったチームメートのニコ・ロズベルグとの関係が悪化し、それがチームにも大きな影響を及ぼしていた。
だが、今季からバルテリ・ボッタスが加わったことで、チーム内の雰囲気も昨年までとはすっかり変わってきているという。
だがティーマーは、ハミルトンとロズベルグがお互いに火花を散らしながら争っていた昨年までの状態も悪くはなかったと考えている。
「私はそれが好きだったし、ファンもそうだったよ」
そう述べたティーマーは、次のように付け加えた。
「今年は退屈になったと言うつもりはないよ。今年はメルセデス勢同士の戦いではなくなっているからね」