ロバート・クビサが、2017年型の最新F1カーも問題なく乗りこなす自信があると主張した。
2006年にBMWザウバーでF1デビューを飾ったクビサは2010年にルノーへと移籍。ところが2011年のシーズン開幕前に出走したラリーレースで一時は生命も危ぶまれる大クラッシュを喫してしまい、F1キャリアはその時点で完全に終わったと考えられていた。
だが、最近かつて所属していたルノーの2012年型車で2回にわたってテストを行ったことが明らかになり、にわかにクビサのF1復帰が現実味を帯びてきている。
■2017年型F1カーでのテスト決定か?
最近のうわさでは、32歳となったクビサが次戦F1ハンガリーGP(30日)の翌週にハンガロリンクで開催されるシーズン内テストで今季型F1カーをテストすることになるのではないかと言われている。さらに、その後金曜フリー走行に登場し、最終的には今季中にも不調にあえいでいるジョリオン・パーマーと交代する可能性すらあるのではないかとさえうわさされている。
ルノーF1チームを率いるシリル・アビテブール(マネジングディレクター)は、こうしたうわさに対してくぎを打つように次のように語った。
「さらなる憶測を呼ぶようなまねはしたくないんだ」
「現時点で集中していることは、現在のラインアップとパッケージを最大限に生かすということだ。その後2018年に向けて考えていくことになる」
■ほかのドライバーにできることなら自分にもできる
2011年の事故直後には切断も検討されたクビサの右腕はまだその機能がすべて完全に回復しているわけではないという。だが、クビサはそれでも2017年型F1カーを操る自信はあるとイタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』に次のように語った。
「(すでにテストした2012年型車との)違いは主にコーナリング時のパフォーマンスだよ。だけどこれは慣れの問題に過ぎないんだ」
「ほかのドライバーたちにできるのなら、僕に同じことができないと考える理由はないよ」
「だから、ルノーが僕にテストをさせる勇気や自信があるかどうかだけど、今の僕はそれに応えられると言っておくよ」
「そのためにはトレーニングや準備も必要になるだろうね。だけど、今では僕が以前のようなドライバーに戻ることができるということも分かっている。そして、率直に言わせてもらえば、2010年当時の僕のレベルは高かったと言えるよ」
■自分の人生を取り戻せたと感じている
「今の僕には分かっているんだ。僕が2011年のあの不運な事故で失ったものをなんとか取り戻すことができたってことがね」
「バレンシアでピットに僕のためのクルマが用意されているのを見たとき、僕はこう思ったよ。これが僕が以前いつも感じていた情熱だ。これこそ僕の人生だとね。ル・カステレ(ポール・リカール・サーキット)での2度目のテストのときには、その感触はさらにはっきりとしたものになっていた」
そう語ったクビサは、次のように付け加えた。
「僕はもう何も心配する必要はないと分かっていたし、コックピットの中で6年間失われていた満ち足りた思いに包まれていたよ。その後に起きたことはほとんど魔法みたいなものとして僕に中に残されているよ。たとえ今後どういうことになろうとね」