メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、2017年のF1ドライバーズタイトルを獲得する可能性が最も大きいのはフェラーリのセバスチャン・ベッテルだと認めた。
●【決勝結果】F1モナコGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
■モナコでポイント差が25に拡大
先週末に開催されたF1モナコGPを迎えるまでは6ポイント差でベッテルを追っていたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)だったが、モナコでベッテルが優勝し、ハミルトンは7位に終わったことで、その差は25ポイントにまで開いてしまった。
「ベッテルが勝った。それはライコネン(フェラーリ)がピットストップしたときに彼(ベッテル)のほうが速かったからだ」
イタリアのテレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』にそう語ったラウダは、次のように続けた。
「私がうれしそうに見えるかい? フェラーリは常に私の心を切り刻んでいるよ。彼らは完ぺきだった。そして我々はそうではなかった」
「タイトル争いに関しては、ベッテルが有利になっているね。だが、まだレースもたくさん残っているよ」
■ベッテルが故障を抱える必要がある
ラウダはさらに母国オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』にも次のように語っている。
「月曜日になっても怒りが収まらなかったよ。だが、これからタイヤをどうすればうまく使えるのかを見極めなくてはならない」
「もうひとつはっきりしているよ。ベッテルが故障を抱える必要がある。そうでなければもう終わったも同然だ。フェラーリは本当に速いし、これが続くようであればギャップはとてつもなく大きくなるだろうね」
ラウダが示唆したように、ベッテルに不安があるとすれば年間4基までと定められているパワーユニットコンポーネントのうち、ターボチャージャーをすでに4基投入してしまっていることだ。
さらに、ベッテルのクルマには熱エネルギー回生装置であるMGU-Hもすでに3基が投入されている。今後規定数を超えるコンポーネントを投入すれば、ベッテルはグリッド降格ペナルティーを受けてしまうことになる。