ホンダ「世界一のエンジン」になるには?

【ホンダ】F1モナコGP&インディ500、栄光ある2大レースへ挑む週末

2017年05月29日(月)0:06 am

ホンダは、F1モナコGP&インディ500、栄光ある二大レースへの挑戦にあたり、フェルナンド・アロンソなどのインタビューを公開した。

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■5月はレース界最大の1カ月

インディ500が行われる5月は、ファンや関係者の間では“レース界最大の1カ月”と呼ばれている。5月28日がレースファンにとって特別な一日であることは間違いない。なぜなら、モナコGPとインディ500が同日に開催され、世界中の何百万人とものファンがテレビにくぎ付けになるからだ。

2017年はその注目度がさらに高まっている。現役F1チャンピオンであるフェルナンド・アロンソがブリックヤード(※1)で戦い、同じくモナコGPウィナーでF1チャンピオン経験者のジェンソン・バトンがモナコでマクラーレン・ホンダに復帰。このアロンソの挑戦については大きな話題と注目を呼んでいる。

なぜモナコとインディ500は特別なレースなのだろうか。

(※1)ブリックヤード…インディアナポリスは当初レンガ敷きのコースで、その名残としてアスファルト舗装が施された現在でも、コントロールライン上の1ヤードのみレンガが残されている。これにちなんで、同地は「ブリックヤード」という愛称で呼ばれている。

■ホンダは歴代3位のメーカー

インディ500は、1911年に第1回が開催。モータースポーツ黎明期に大規模なレースでその魅力を伝えようという計画の一環だった。

ホンダはインディ500において大きな成功を収めており、2004~12年の9連勝を含む通算11勝を挙げている。これは、歴代のエンジンマニュファクチャラーの中で3番目に多い勝利数だ。

■アロンソ「どちらもウォールに囲まれミスが許されない」

モナコGPで2勝を挙げているフェルナンド・アロンソは、インディアナポリスでも予選5番手とすばらしい活躍をみせた。

「レーストラックがウォールに囲まれているという点で、2つのコースは似ているんだ」

「どちらもミスが許される余地はない、それが数多ある他のコースと比べて異なる点なんだ。ただ、似ていると言ってもインディ500のほうが明らかにスピードが速いから、もしクラッシュするならモナコのほうがマシだろうね(笑)」

■F1モナコGPは平均速度160km/h、インディ500は平均速度360km/h

モナコでは、タイトなコース特性とガードレールに囲まれた視界により、実際の平均速度は時速160km程度にもかかわらず、コクピットでの体感スピードは実際よりも速くなる。

一方、インディアナポリスでは予選で計測される4周の平均速度が時速360kmにも達する。この違いは、エンジニアリングに影響する。

■F1モナコGPの特別な準備

F1モナコGPについて、Honda R&Dチーフエンジニアの中村聡は次のように語る。

「モナコでは、出力はそれほど要りませんが、何よりも重要なのはレスポンスです」

「また、ドライバビリティも必要です。そして、オーバーテイクが難しいコースなので決勝よりもむしろ予選の重要性が高いのも特徴です。今年は車幅がワイドになっているので、例年よりもその傾向は高いでしょうね。だから、予選で最大の結果を残せるようにしなければなりません。これが、ほかのサーキットと大きく違うポイントです」

「モナコに向けての特別な準備として、独特のエンジン特性になるようなセッティングを持ち込みます。例えば、フェアモント・ヘアピン(※2)では回転数がかなり低くなるので、それに対応させます。ほかのサーキットでは、あんな回転数で走ることはないですから」

(※2) かつては“ロウズ・ヘアピン”と呼ばれたターン6。レースが行われる全コースのコーナーの中で最も小さい回転半径となっている。

■インディ500の独特の取り組み

アメリカにおけるホンダの開発拠点であるHonda Performance Development(HPD)で、F1における中村と同様の役割を担うレースチームプリンシパルのアラン・ミラーは、インディ500にも独特の取り組みがあると語る。

「ここインディアナポリスでは、ほかと違ったエンジンサイクルになります。レースの間はほとんど1万1000回転から1万2000回転で走行するので、それに合わせたエンジン特性に仕上げなければなりません。ロードコースとは全く違います。また、ギアのシフト回数も同様です。そして、燃費がレースに大きな影響を及ぼすので、常に改善策を探っています」

「レースに向けて新しいエンジンを使うので、それを見込んでシミュレーションをします。年間で使えるエンジンは4基までと定められているので、インディ500のあとは、ロードコースのレースでも同じエンジンを使わなければなりません」

「さらに、加速も考慮しなければなりません。イエローフラッグ明けのリスタート(※3)では加速力が重要になるからです。イエロー中も時速120~160㎞程度と決して遅くはありませんが、リスタート時にはそこから一気に時速320km近くまで加速します。だから、ドライバーは、イエロー中1速か2速で走っていますし、ピットアウト時にも加速が必要です。最高速だけを考えていてはダメなんです」

(※3)インディカー・シリーズではイエローフラッグが提示されるとセーフティカー導入となる。

■HPDではインディ500での勝利が絶対的にナンバー1

またミラーは、インディ500ではほかのレースよりもプレッシャーがかかるかと質問されると、「もちろん!」と明快に答えた。

「HPDでは、インディ500での勝利が第一のゴールなんだ。シリーズ中のどのレースよりも重要で、どんな事柄よりも優先される。もちろん、ドライバータイトル、マニュファクチャラータイトルも欲しいし、どのレースでも勝ちたいと思っているさ。でも、インディ500が絶対的にナンバー1だよ」

■アロンソ、忘れられない素晴らしいレースになる

インディアナポリス、モンテカルロ市街地コースともに、開催当初からほとんど変わっておらず、モータースポーツの歴史を感じることのできる、偉大なサーキットだ。

アロンソは、モナコとインディ500の伝統について次のようにコメントした。

「モナコやインディアナポリスで猛スピードのマシンが走れば、ショーとしての魅力やそのスリルもあって、観客やファンの皆さんにとっては、忘れられない素晴らしいレースになるはずだよ」

「だから、こうした伝統のレースは続いていくんだ」

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