F1公式タイヤサプライヤーのピレリが2017年にはタイヤの指定空気圧をこれまでよりも下げるだろうと伝えられ、F1チームたちもこのニュースを歓迎しているようだ。
■不満が多かった高いタイヤ空気圧
昨年、ピレリは安全性を理由として、非常に高い最低空気圧値を各チームに義務付けていた。だが、そのために必要なグリップを得ることに苦労したF1チームやドライバーたちからは不満の声も多く聞かれていた。
今年からは、これまでよりも幅が広げられ、よりグリップが高くなるとともに、これまでよりも性能低下が発生しにくい新型のタイヤが導入されることになっている。
■空気圧が高ければクルマの実力発揮も困難
だが、F1エンジニアの中には、これまで同様に高い空気圧が設定されるのであれば、実際にはそれほどF1カーのスピードは上がらないだろうとの考えを示していた者もいた。
例えば、あるF1エンジニアはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っていた。
「もし(指定空気圧が)25PSI以上であれば、ラップタイムが昨年よりも速くなることはないだろう」
■今年は空気圧規制が緩和か
だが、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が先週報じたところによれば、27日(月)からバルセロナで開始される今年最初のF1公式シーズン内テストにおいて、ピレリはフロントタイヤの空気圧を22PSI、リアタイヤを18PSIと、昨年よりもかなり低い設定にするだろうという。
ちなみに、22PSIを日本で通常使用される単位に変換すると約1.5kgf/cm2、18PSIは同約1.3 kgf/cm2となる。
ルノーのあるエンジニアはこれに対し、「それならすごく勇気づけられるね。このタイヤ空気圧なら、新たなクルマの本当の実力を目にすることができると思うよ」と語っている。