2017年のF1シーズンに向け、ルノーではこれまでとはほぼ完全に違う新たなパワーユニットを投入することにしており、伝えられるところによれば昨年よりも35馬力の出力アップを果たしているという。
■ルノーパワーユニットの進歩を警戒するメルセデスAMG
メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)も、「それは素晴らしい数値だ」と語り、次のように続けた。
「ルノーは高度なプロフェッショナル組織であり、我々としても彼らは侮ることができないライバルだと考えている」
ヴォルフが一番警戒しているのは、もちろんルノーの新型パワーユニットを搭載するレッドブルが今年どれだけの競争力を発揮してくるかということだろう。
「我々のクルマやエンジン、ドライバーたちが最高であることを期待している。だが、当然のようにそうなるかどうかは分からない」とヴォルフは付け加えている。
■早くもトラブルを抱えたルノーPU
メルセデスAMGも警戒する2017年型ルノーパワーユニットだが、すでに最初のつまずきを経験したというニュースも伝えられている。
先週の23日(木)にイタリアのミサノで宣伝のための撮影を目的としてルノーの新パワーユニットを搭載した2017年型車で走行を行ったものの、わずか数周しただけでパワーユニットが故障してしまったのだ。
■差を縮めるにはリスクを取る必要があった
以前、ルノーのエンジンテクニカルディレクターであるレミ・タファンは、今季型パワーユニットの開発においては「リスク」もとってきていると主張していた。
「以前の古いコンセプトでは、もう可能性の限界まできていた。それが必要とされるときにはリスクを取らなくてはならないし、我々としても遊びでそれをやっているわけじゃないよ」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったタファンは、次のように付け加えている。
「昨年、我々信頼性の記録は素晴らしかった。それなのになぜ違うことをやっているのかとの質問を受けている。それは、我々には差を縮める必要があるからだ」
信頼性のリスクを負いながらも、パフォーマンス重視の開発を行ってきたルノーのパワーユニットがどういう力を示すのか? 今日27日(月)からバルセロナで始まる今季最初のF1公式シーズン前テストで、その一端をかいま見ることができそうだ。