メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)が、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグは今シーズン最後までスタートに苦しめられることになるだろうと認めた。
■クラッチに問題を抱えるメルセデスAMG
前戦F1シンガポールGPでロズベルグがポール・トゥ・ウィンを飾ったことで、現時点ではロズベルグが再びランキングトップに返り咲き、ハミルトンに8ポイントの差をつけている。だが、その前に行われたイタリアGPではロズベルグにコンマ5秒近い差をつけてポールを取っていたハミルトンがスタートで大きく出遅れてしまい、ロズベルグに優勝をさらわれていた。
今季も最強を誇るメルセデスAMGだが、唯一の弱点がスタートにあると言っても過言ではないだろう。ハミルトンもトラブルが多発するクラッチシステムによって今季のタイトルのゆくえが決まることになるかもしれないとコメントしている。
■今季中の解決は困難
ヴォルフもクラッチが頭痛の種だと、ドイツの『Sky(スカイ)』に次のように語った。
「最近の数レースでは常にスタートで失敗していたし、それは理想的なことではなかった」
「そこが我々のアキレス腱(けん)だし、今年中にそれを解決することはできないだろう」
「来年に向けてはクラッチの構造を変えなければならない。それが現時点で我々が抱えている問題だからね」
■明確な原因はいまだに不明
メルセデスAMGでは今シーズン序盤からこのクラッチ問題を抱えていたが、当時ヴォルフは親会社であるダイムラーが支援の手を差し伸べてくれるだろうと語っていた。
だが、それも結局功を奏すことはなかったようだ。ヴォルフは、次のように付け加えた。
「何が問題なのか分かっていないんだ。設計の問題なのか、あるいは構造なのか、それともドライバーが操作をしにくい状態なのかがね。非常に多くの要素がからんでいるんだよ」