F1ベルギーGPでのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のドライビングに非難が寄せられている。
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ベルギーGPでは、スタート直後の1コーナーで、フェルスタッペンとフェラーリのセバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネンが接触。3台ともダメージを負って最後尾に落ちた。
その後、追い上げてきたライコネンにストレートでかわされそうになると、フェルスタッペンはブレーキングゾーンで進路を変更してこれをブロック。また、次にはストレート先のヘアピンでライコネンに寄せて外に押し出した。
■「あんなまねをされたことはない」とライコネン
ライコネンは無線で怒りを露わにしていたが、レース後にも不満を述べた。
「激しい、いいバトルなら構わない。でも、あれは正しいことじゃなかった」
「どんなドライバーにも、あんなまねをされたことはない」
フェルスタッペンをストレートでかわす際に同様のことを経験したベッテルは、きちんと話し合う必要があると考えている。
「僕たちはお互い話し合い、尊重し合うことが必要だ」
「批判は正当なものだと思うけれど、これをあまりにも大げさな話にするべきじゃない。僕は彼が好きだし、彼はアグレッシブだ。ただ、特にブレーキングの際の彼の動き方の中には、僕に言わせれば正しくないものもある」
■やられたらやり返すとフェルスタッペン
ライコネンやベッテルの批判に対して、フェルスタッペンは1コーナーでの接触を挙げて次のように反論している。
「彼らが僕のレースをめちゃくちゃにするなら、彼らに楽にはやらせないよ。彼らもそれを理解すべきだと思うね」
「1コーナーでのアクシデントがなかったら、僕もあれほどアグレッシブにはやらなかったし、ライコネンをああいうふうに押し出しはしなかった」
■ラウダやヴォルフも批判的
直接争わなかったメルセデスAMGの首脳陣も、フェルスタッペンの行為に批判的なコメントをしている。
3度のF1王者でメルセデスAMG非常勤会長のニキ・ラウダは、ドイツのテレビ局『RTL』にこう話した。
「キミの批判は完全に正当なものだった。もし彼(フェルスタッペン)が、あれはキミの責任だと言うなら、精神科医が必要だ」
「あの若者は世紀の才能だが、何か間違ったことをしたのだとまったく理解できないのなら、私は父親のヨスと話をして、息子と話すように言うよ。完全に許容範囲を超えている」
メルセデスAMGビジネス部門エグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフは、フェルスタッペンの攻撃的な姿勢は好きだと話したが、「ハミルトンかセナを思わせる。うまくいっているうちはね」と続けている。
「最後にはウォールで終わるだろう。それも遠い日ではないと思うね」
■チームはフェルスタッペンを擁護
一方、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、フェルスタッペンを擁護している。
「トトが無関係なことにコメントしたので驚いているよ。マックスは限界まで行く。確かにボーダーラインだった」
「しかし、審議を始める理由があるとスチュワードはまったく感じなかったんだ」
だが、ヴォルフはこう警告する。
「FIAは罰しなかったが、彼は大変なドライバーズミーティングを耐えなければならないだろう」
「私の目に、彼は新鮮にも、危険にも映るね」