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ハミルトン、アロンソ、ロズベルグ:ブレーキングスタイルの違い

2016年06月25日(土)7:01 am

ブレーキメーカーのブレンボが、ルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソ、そしてニコ・ロズベルグのブレーキングスタイルの違いについて述べている。

普段のスタイルが異なる三人は、ブレンボ製ブレーキシステムの使いこなしも大きく違う。

■ハミルトンはオーバー、アロンソはアンダー好み

ドライビングスタイルがかなり違う二人だが、マシンの設定も全く違うという。ハミルトンはオーバーステアが好みだが、アロンソはアンダーステアが強めのセッティングだ。

■ハミルトンはロズベルグよりアグレッシブ

世界タイトルを3回獲得したハミルトンは、マシンの設定はフロントアクスル重視。メルセデスでの2連覇中は、ロズベルグよりもアプローチの鋭いアグレッシブなブレーキングに徹した。ハミルトンのブレーキングでは、コーナーに入る際のブレーキングの序盤を、タイヤのグリップを超えるまで長めにとる戦略がよく見られる。

■ハミルトンのブレーキングテクニックは危険と隣り合わせ

ハミルトンと長く組んでいるブレンボの技術者は、ハミルトンの認識する唯一の限度はブレーキの熱の使い方だと言う。ハミルトンは、ブレーキペダルを徐々に緩めながら次第にステアリングを切り足していく。

レース用語で「トレイルブレーキング」というテクニックだ。物理的な限界点を超えることになるので、フロントタイヤがロックする危険と隣り合わせになる。

実際に、2015年のハンガリーGPでこれが起こり、ハミルトンは、コンマ1秒早くブレーキしたすぐ前のチームメイトを避けようとして、グラベルに飛び出してしまった。

カーボンブレーキディスクとハミルトンとの相性の良さは、彼が自宅に所有している公道用スーパーカーを見れば明らかだ。“パガーニ・ゾンダ760 LH”と“ラ・フェラーリ”。どちらもブレンボのカーボンセラミックディスクが装着されている。

■アロンソは早めのブレーキングで限界を超えない

一方、フェルナンド・アロンソは、クリーンなブレーキングが好み。ライバルよりわずかに早めにブレーキするので、スリリングな事態はあまり招きないという。ルノーで2005年、2006年と2連覇した世界チャンピオンは、グリップの上限と下限のギリギリまで迫るが、限界を超えることはない。ウェットコンディションに関しては、フェラーリ時代に制した2010年の韓国GP、2011年のイギリスGP、2012年のマレーシアGPで披露したとおり、抜群の感性を持っている。

■ブレンボ技術者「アロンソには生まれつきABSが備わっている」

アロンソがミナルディでF1デビューした際に担当となり、その後フェラーリへの移籍で再び組むことになったブレンボの技術者は、アロンソについて、「彼にはまるで生まれつきABSが備わっているようだ」と言う。

基本的にタイヤのグリップを十分に生かし、ここ一番という時に自身の体力をフル活用する。ペダルを最大限に踏み込んでしっかりとブレーキを効かせる力強さがあり、反応も非常に優れている。このため、タイヤロックの危険を回避しつつコーナーで力強く加速することができる。

■アロンソもイタリア車が好み

アロンソもプライベートはイタリア車が好みで、中でも“フェラーリ458イタリア”と“マセラティグランカブリオ”がお気に入りのようだ。タイプは全く異なるこの2車種だが、共通点が一つ。ブレンボのブレーキシステムだ。

セバスチャン・ベッテル、フェルナンド・アロンソ、そしてルイス・ハミルトン。この3人が過去10年のF1の歴史を築いてきた。

この10年間に、ブレンボのブレーキシステムは、フェラーリ、ブラウンGP、レッドブル、メルセデスの4チームに供給し、8回のドライバーズチャンピオンと9回のコンストラクターズチャンピオンに貢献した。

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