アゼルバイジャンの首都バクーで初めて開催されたF1第8戦ヨーロッパGPで、F1の最高速記録が更新された。
史上最高速を記録したのはウィリアムズのバルテリ・ボッタスで、予選で時速378キロをマーク。これには、サーキットを設計したヘルマン・ティルケも驚いている。
「われわれのコンピュータ・シミュレーションでは、340キロとしか出ていなかった」とレース後にティルケは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に話している。
■初開催のレースが無事終わったことに安ど
また、レースが終わるまでは「ナーバスだった」とティルケは打ち明けている。
「問題になりかねないことは山ほどあった。フリー走行中に排水溝のふたが外れたのがその一例だ」
「そうした点では、常設のサーキットよりはるかに難しい」
初日フリー走行では、縁石が浮き上がってタイヤを傷つけるという事態も発生。また、コンクリートの壁に段差があったり、アスファルトに気泡が発生したりした個所もあったと『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝えている。
それでもティルケは「ドライバーもファンも満足したことをうれしく思う」と話している。
「すべて計画通りに機能した。もちろん、金曜と土曜の夜に少々手を入れる必要はあった。だが、ここの関係者全員が、見事に仕事を果たしてくれた」
■安全性はFIAの意見が基準
ドライバーから安全性を懸念する声も聞こえたが、ティルケはこう説明している。
「われわれにとって重要なのはFIA(国際自動車連盟)の意見だけだ」
「問題ないかどうか、最終的な判断はFIAが下す。15コーナーのランオフも非常にうまく機能していた。また、狭い個所には、衝撃を効果的に吸収するテクプロ・バリアを多く設置してあった」