F1モナコGP(第6戦)を終え、イタリアのメディアが自国の名門F1チームであるフェラーリに対して厳しい論評を行っている。
【結果】F1モナコGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数
■モナコでは表彰台すら逃したフェラーリ
今季、メルセデスAMGからF1タイトルを奪取するとの目標を掲げているフェラーリだが、ここまでのところ、それが可能だと思える状況とはなっていない。
第5戦スペインGPでは、1周目に最大のライバルであるメルセデスAMGが同士打ちで姿を消したものの、そのチャンスを生かすことができず、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに優勝をさらわれてしまっていた。
そして、先週末のモナコGPでは伏兵とも言うべきフォース・インディアのセルジオ・ペレスに先行を許し、フェラーリは昨シーズンの第18戦から続いていた連続表彰台記録も7でストップしてしまった。
■悪いのはフェラーリ首脳部?
4位でモナコGP決勝を終えたフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、「フォース・インディアが僕たちよりもいい仕事をしたということだ」と語り、負けを認める発言をしていた。
だが、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、次のように論じている。
「責任があるのはベッテルではない。彼は先頭を走ることができるだけの能力を持たないクルマと戦っているに過ぎない。間違ったことをやっているのはマラネロ(フェラーリ本部)のほうだ」
しかし、『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は、今年のベッテルに昨年ほどの強さが見えないのも事実だとして次のように書いている。
「ベッテルは、昨年フェラーリで大暴れしたドライバー本人ではなく、悲しげな顔をした親せきのように見える」
『Tuttosport(トゥットスポルト)』も、ドライバーの責任も大きいとばかりに「フェラーリに関しては、今回は大失敗をやらかしたのはパイロットのほうだった」と書いている。
■ライコネンのミスは受け入れられない
もちろん、最後までペレスを追い抜けなかったベッテルにも不満を抱えつつ、メディアが一斉砲火を浴びせているのはキミ・ライコネンのほうだ。
予選も6番手とあまりいい成績ではなかったライコネンだが、ギアボックス交換により決勝は11番手からのスタートとなる不運も抱えていた。そのあせりもあったか、決勝ではヘアピンを曲がり切れずにクラッシュするというミスを演じてしまっていた。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、モナコでのライコネンは10点満点中の5点だったと採点し、次のように書いている。
「最悪だ。彼ほどの経験があるならば、わずか10周やそこらでガードレールにぶつかるべきではない。これは受け入れられることではない」
『La Stampa(スタンパ)』は次のようにモナコGPを総括している。
「モナコでは7か月にわたって勢いを失っていたハミルトンに再び笑顔が戻った。一方、マラネロはまだ危機からの脱出を目指さなくてはならない」
●フェラーリのタイトル挑戦は終わっていないとチーム代表アリバベーネ