F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のユルゲン・リンドマン医師が、2016年F1開幕戦オーストラリアGP決勝でクラッシュしたフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)が無傷で生還できたのは“幸運”だったに過ぎないと主張した。
■アロンソは運がよかっただけ
リンドマン医師は、アロンソのクラッシュに関して『Der Spiegel(シュピーゲル)』に次のように語った。
「今日のF1では、彼は無傷でクルマから降り『このクルマは最高に安全な乗り物だ』と言うことができる。だが、あれは運よく難を逃れることができただけだということを忘れてはならない」
実際のところ、アロンソはひざに軽く包帯を巻いただけでオーストラリアを後にしていた。だが、あのクラッシュは非常に激しいもので、アロンソが座っていたマクラーレン・ホンダMP4-31のシートはかなりの損傷を負っていたことが明らかとなった。これによりFIAはアロンソに対してさらに詳細な検査を実施していた。
■1週間ほど痛みが続くのは当然
そして、アロンソ自身も26日(土)にツイッターにたくさんの絵文字で飾られた奇妙な投稿を行い、メルボルンのクラッシュ以後かなりの痛みに襲われていることを示唆している。
その並べられた絵文字を読み解けば、アロンソが頭痛に悩まされ、夜もあまり眠れず、トレーニングもできず、鎮痛剤と思われる薬を飲む生活を送っているということがうかがえるのだ。
リンドマン医師は次のように続けた。
「間違いなく、彼の筋肉痛や骨痛は1週間は続くだろう。だが、ドライバーたちはよく訓練しているし、非常にしなやかな身体をしている。彼らは非常にすぐに回復するし、それには驚かされ通しだよ」
■バーレーンGPには出走可能
リンドマン医師は、アロンソが「身体を休め、軽い食事をとって、睡眠をとることは理にかなっているし、そうすればできるだけ早くクルマに乗ることができる」と付け加え、アロンソが今週末のF1バーレーンGP(4月3日決勝)にも出場できるだろうと示唆した。
ちなみに、アロンソは現在バーレーンからは直線距離で400km強ほどしか離れていないドバイに自宅を構えており、主にヨーロッパから移動するほかのドライバーたちに比べれば、旅の負担もかなり軽くすむはずだ。