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「いす取りゲーム」的F1新予選方式に賛否両論

2016年02月25日(木)19:24 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が、ジュネーブで開催されたF1委員会において「全員一致」で新しい予選方式を導入することが採択されたと発表した。

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新予選方式では、Q1からQ3までのそれぞれのセッションで90秒ごとにその時点で最も遅いドライバーがノックアウトされるという方式が採られることになる。

この方式はまさに90秒ごとに音楽が止まる「いす取りゲーム」のようなものだという声もある。必ずしもドライバーの腕やF1カーの力量に関係なく、運悪く、そのタイミングで1番遅いタイムだったドライバーが脱落するというケースも想定できるためだ。

だが、F1関係者たちの間でも、この新予選方式に関する意見はさまざまだ。

■新方式を歓迎する声

メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、この新方式にもろ手を挙げて賛成だとの意思表示を行っている。

さらに、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーも「これにより、わざわざ逆グリッド方式などを採らずとも、日曜日のグリッドに少しばかり偶然性が生まれることになるだろう」と語り、これを歓迎している。

メルセデスAMGのニコ・ロズベルグも前向きだ。2015年には7度ポールポジションを獲得したロズベルグは次のように語った。

「自分たちのスポーツに疑問を持ち、新しいものを取り入れるのはいいことだと思うよ」

■F1ボスは満足

F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、本当は予選タイムがよかったドライバーを後方グリッドにつかせるという「逆グリッド方式」を導入することを希望していたと言われている。そうした予選方式を採用しているモータースポーツもあるが、最高峰のF1でそれを導入することには大きな抵抗があったのも事実だ。

今回決定した90秒ごとにドライバーが1人ずつノックアウトされるという方式は、それに対する妥協案だったとも考えられている。

ともあれ、これまでの予選方式に一石を投じることに成功したことで、ほんの数日前までは現在のF1は最悪の状態だと語っていたエクレストンのご機嫌も上向きになったようだ。

エクレストンは『Telegraph(テレグラフ)』を含むイギリスのメディアに次のように語った。

「これで、面白いレースが見られることになるという自信が少し強まったと思うよ」

「私はF1をこきおろしたりなどしていないよ。それは全くの逆だ。私は、何か手を打たない限り、まずいことになっていくだろうと訴えようとしていただけさ」

■目的は「混乱」の創造?

だが、この新方式に対する疑問の声も少なくない。

「奇妙なアイデアだね」と言うのはルノーから今季F1デビューを飾ることになったジョリオン・パーマーだ。「これによって大きな違いが生じるとは思えないけれどね」

一方、レッドブルのダニール・クビアトは、最初にこの話を聞いたときには逆に予選がかなり“めちゃくちゃ”になりそうだという印象を受けたと認めている。

24日(水)にバルセロナで初めて今季型車SF16-Hのステアリングを握ったフェラーリのキミ・ライコネンは、この件に関しては一切コメントをしようとはせず、ただ「そうなるのかどうか、様子を見よう」と語っただけだった。

ウィリアムズのフェリペ・マッサは、次のようなコメントを行っている。

「あまり深く考えているわけじゃないけれど、目的は明白だよね。混乱を生じさせるためさ」

■何よりも決勝を面白くするため

マッサのボスであるパット・シモンズ(ウィリアムズ/最高技術責任者)は、マッサのとらえ方は正解だと次のように語った。

「それによって予選そのものが改善されるとは思えないんだ。実際のところ、予選があまり面白くなくなるという危険をはらんでいると思うよ」

だが、シモンズは、その予選方式を導入する意味は、予選そのものよりも決勝を面白くすることにあるのだと次のように続けた。

「それによってレースの見どころは増すことにはなるだろう」

「速いクルマが少し後方からスタートすることもあるだろうし、過去にもそういうことによって素晴らしいレースが展開されたこともあったからね」

■なぜこのタイミング?

一方、フォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグは、このタイミングで予選方式変更が決定されたことに異議をとなえている。

「ものすごく驚いたよ。シーズン開幕の3週間前に予選方式が変更されたんだからね」と、2015年にはル・マン24時間レースで初出場初優勝という快挙を成し遂げたヒュルケンベルグは不満げだ。

シモンズもこれに関しては同じ意見のようだ。

「我々はシーズン序盤のレースでのタイヤ選択は、以前の予選データをもとに決定している。だから、もっと以前からこのことが分かっていたら何か違う手を打っていたかもしれないね」

そう語ったシモンズだが、「しかし、我々は全員が同じボートに乗っているんだ」と付け加え、誰にとっても条件は同じだと主張している。

■ファンの反応はいかに?

今年、トロロッソで2年目のF1シーズンを迎えるカルロス・サインツも、今回の予選方式改訂には少しとまどっているようだ。

「一方では、見どころが増えるのはいいと思う。でも、その一方で、何が起こっているのかは理解しづらくなりそうだね」

そう語ったサインツは、次のように付け加えた。

「だけど、見どころが増えるのであれば、ファンはそれを歓迎するだろうね」

しかし、ソーシャルメディアなどでの反応を見る限り、ファンの間でも今回の「いす取りゲーム方式」の予選がいいアイデアかどうかについては意見が真二つに分かれているのが現状だ。必ずしもファンがついてくるかどうかは、始まってみないと分からないというのが現実だろう。

■だめならまた変えればいい

今季からF1参戦を開始するハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーは次のように主張している。

「我々は常に改善を目指していかなくてはならない。時には間違えることもあるだろう。だが、そのときは修正していけばいいんだ」

「でも私は、ファンはこの新しい方式を好むだろうと思っているよ」

昨年17歳のF1ドライバー登場というセンセーションを巻き起こしたマックス・フェルスタッペン(トロロッソ)の父であり、自らも元F1ドライバーであるヨス・フェルスタッペンも、今回の変更を前向きにとらえているようだ。

「これまでのシステムもそれほど悪くはなかったと思う。特にセッションの最後の2分間はかなり面白かったと思うよ。」

「だけど、その2分間の面白さをもっと拡大しようというのが今回の狙いだろうと思っているよ。『自分は嫌いだ』と言うのは簡単だが、素晴らしいものになるかもしれないよ」

そう語ったフェルスタッペンは、次のように付け加え、現状の問題を改善するためには新予選方式は有効かもしれないとほのめかしている。

「みんなが見たいと思っているのはレースだよ。誰も、誰が勝つのかということを事前に知りたいと望んでいるわけじゃない。だけど、今はそういう状況になっているんだ」

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