マクラーレンは14日(木)、フォルクスワーゲン(VW)と一つの「契約に合意」したことを発表した。その気になる内容とは?
■マクラーレン、改革へ
2015年の年間ランキング9位という悲惨な結果に終わったマクラーレンが現状を打破すべく、14日に新体制を発表した。
まず、これまでマクラーレン・レーシングのCEO(最高経営責任者)代理を務めてきたジョナサン・ニールは、マクラーレン・テクノロジーグループのCOO(最高執行責任者)に任命された。
そして、マクラーレン・レーシングの新CEOとして、2012年からフォルクスワーゲン・モータースポーツ総責任者(ディレクター)であるヨースト・カピート(57歳、ドイツ)を迎え入れると発表した。
マクラーレン・レーシングのレーシングディレクター、エリック・ブーリエのポジションは「変わらず」、ニールとカピート両名と緊密に連携する。
そして、ニールとカピートは、マクラーレン・テクノロジーグループのロン・デニス会長兼最高経営責任者へ直接報告するという。
ロン・デニスは次のように語っている。
「カピートは2012年よりフォルクスワーゲンでWRC(世界ラリー選手権)チームを率いて以降、2013年から2015年まで連続して世界タイトルを勝ち取った。それだけではなく、BMW、ポルシェ、フォード、ザウバーの責任あるポジションで、スポーツカーやツーリングカー、バイクやF1など幅広く経験しており、非常に知識が豊富で、情熱的だ」。
カピートがマクラーレンに加入する時期については、フォルクスワーゲンと合意の上で決定するという。WRC公式サイトやフォルクスワーゲン・モータースポーツ公式サイトによると、カピートは「後任が決まるまで」フォルクスワーゲンでの職に留まるという。
カピート率いるVWはWRC3連覇を達成。(C)WRC
■排ガス不正問題のVW、ラリー撤退か
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、フォルクスワーゲンは昨年発覚した排ガス不正問題のスキャンダルによって、WRCから撤退するとのうわさも出ているという。
■マクラーレン・フォルクスワーゲン?ポルシェ?アウディ?
今回発表されたのはカピートのヘッドハンティングのみであり、マクラーレンとフォルクスワーゲンの関係性については何も触れられていない。近い将来、マクラーレン・フォルクスワーゲン(またはVWグループのポルシェやアウディ)の誕生に直結するとは見られていないが、カピートがフォルクスワーゲン・モータースポーツの総責任者だけに、マクラーレンはVWと非常に太いパイプが出来たことは間違いない。