F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、FIA(国際自動車連盟)の元会長であるマックス・モズレーを再びその職に復帰させようとたくらんでいるのではないかとのうわさを否定した。
現在、さまざまな問題点が指摘されているF1だが、今週、エクレストンとモズレーの2人がドイツのテレビ番組にそろって出演し、30分におよぶインタビューが放映されていた。
このことにより、現FIA会長であるジャン・トッドに不満を持つエクレストンが、モズレーの復職をもくろんでいるのではないかとのうわさがささやかれている。
エクレストンは、以前からトッドがあまりにも民主的な運営にこだわり、さまざまな課題に対しても積極的にかかわろうとしないことに対して不満を表明していた。そして、モズレーがかつて世界をにぎわせたセックススキャンダルによりFIA会長の座を降りることになったことは「悔やまれた」との発言も行っていた。
だが、今回ドイツの放送局『ZDF』が放映したエクレストンとモズレーの共同インタビューは、トッドに向けたメッセージ以上の意味は持っていなかったのかもしれない。すなわち、F1が問題を解決する際には、モズレーがとっていたようなスタイルを取り入れることが必要だということをアピールするのが目的だったということだ。
エクレストンもこれを認め、『Telegraph(テレグラフ)』に次のように語った。
「私は、ジャンもゆっくりとではあるが確実に、我々には時として荒療治も必要だし、それに取り組み、うまくやっていくことが必要だということを理解し始めていると思っているよ」
「それには多少の痛みを伴うこともあるものなんだ」
モズレーが何らかの形でF1の世界に戻ってくる可能性があるのかと質問されたエクレストンは、次のように答えた。
「ノー、ノー、ノー。彼はもはやF1とは何の関係もないよ」
「彼が今回(テレビインタビューに)出演したのは、テレビ局側がインタビューをしたいと望んだからだ。彼とは何の関係もないんだ」とエクレストンは付け加えた。