NEXT...F1開催スケジュール

シューマッハを侮辱したつもりはないとフェラーリのボス

2015年09月29日(火)16:54 pm

フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネが、セバスチャン・ベッテルのほうがかつてフェラーリに黄金時代をもたらしたミハエル・シューマッハよりも“優れたところがある”と語ったことが報じられたが、これに対して批判的な論調が巻き起こっている。

■シューマッハは内向的だったとアリバベーネ

マウリツィオ・アリバベーネは、イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』とのインタビューにおいて、同じドイツ人ドライバーであったシューマッハに比べ、ベッテルのほうが「特に性格において」は勝っていると語り、次のように続けていた。

「ミハエルは内向的で、ごく少人数にしか心を開かなかった。だが、セブ(ベッテル)のほうは全員から自分たちの仲間だと見なされているよ」

だが、7度F1王座に就いたという実績を持ち、現在も2013年末のスキー事故で脳に受けた損傷からのリハビリテーションが続けられているシューマッハに関してこうした発言が行われたことに対する批判がすぐに巻き起こった。

■アリバベーネに対する批判の声

「その記事を読んだときには傷ついたよ」

そう語ったのは、かつてシューマッハと同時代にF1で戦っていたゲルハルト・ベルガーだ。

「何よりも、今ミハエルが置かれている状況を考えればね。だが、それを別にしても、ミハエルは強烈な個性を持っているよ」

「だが、基本的に、ミハエルのように、今自分自身を弁護することができない状況にある者に対してそういうことを言う人間に対しては、私は批判を行うよ」

シューマッハのマネジャーを務めるザビーネ・ケームも次のように語った。

「フェラーリ、そしてセバスチャンとマウリツィオのことはよろこばしく思っています。すでにとてもうまく事が運んでいますからね。ですが、ミハエルとの比較を行うことは好ましいことだとは思えません」

「フェラーリにいたころのミハエルは確かに外交的なタイプではありませんでした。ですが、それは彼の性格が悪かったというようなことではないのです」

「私は、彼がメカニックやチーム全体からどれほど慕われていたかをよく覚えています。それは彼が残した実績のためだけではなく、彼の性格やリーダーシップによるものでした」

■報道は真意を取り違えているとフェラーリのボス

だが、アリバベーネは、今回の一連の報道はメディアが「なんでもないことを大げさに書き立てたのだ」と反論。ドイツのテレビ局『RTL』に次のように主張した。

「お言葉を返すようだが、私は常にミハエルとセバスチャンはどちらも素晴らしいチャンピオンであり、素晴らしい人物だと言ってきている。そしてもちろん、彼らは違う人間だ」

アリバベーネはさらに、現在もリハビリが続けられているシューマッハについて、「私は彼のために祈っている。彼は常に私の心の中にいるんだ」と語り、次のように続けた。

「ミハエルは素晴らしい人物だ。偉大なチャンピオンでもあり、人間的にもそうだ。セバスチャンのようにね。私が言ったのはそういうことだ。だが、2人は違う人間であり、2人に会えば、ミハエルは内向的でありセブが外交的だということが分かる。私が語ったのはそれだけだよ」

「こういう反応が出てきたことにすごく驚いているよ」と語ったアリバベーネは、さらに説明を続けた。

「(シューマッハとベッテルは)どちらも私にとってはすごく仲のいい友人だ。ミハエルのことをよく知っているからこそ、彼がどれほどすごい人間なのかということも分かっている」

「セブに関しては、彼のほうがずっと理解しやすいと言える。だが、私のコメントがミハエルをけなすものだと受け止められては困るんだ。それはまったくの逆だよ」とアリバベーネは付け加えた。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック