前人未到のドライバーズ世界選手権7度と歴代最多の91勝、それに最多ポールポジション68回の記録を持つF1でもっとも成功を収めたドライバーといえばミハエル・シューマッハ。そんな彼をしてもセバスチャン・ベッテルの方が「いくつかの点で優れている」と話すのは、フェラーリのチーム代表マウリツィオ・アリバベーネだ。
アリバベーネによるベッテルとシューマッハの比較論は、イタリア『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』紙に掲載された。
「セブ(ベッテル)が勝てるのはマシンが最高だからと言われていた。一時期、私もそう思っていた」とアリバベーネ。
「いま彼(ベッテル)と仕事をしてみて、ある点においてはミハエル(シューマッハ)より彼の方が優れていると言える」
「取り分け、彼の人柄だ。ミハエルは内向的で、ごく少数の人にしか心を開かなかった。ところがセブは分け隔てなく人と付き合う」
ところで29日(火)、フェラーリ系の新チーム、ハースが2016年ドライバーの顔ぶれを発表する。
フェラーリとのつながりを持つ選手が2人起用されるというが、ひとりは同チーム公認の控えドライバー、エステバン・グティエレスだ。そしてもうひとりは、2017年に跳ね馬ワークス昇格が有望なロマン・グロージャンである。
「さあね」と口が固いアリバベーネ。「われわれはハースの計画を聞かされていない」
「彼らから問い合わせがあれば、もちろん手を貸す用意はある。レッドブルとトロロッソに似たパートナーシップの構築と言えばいいだろうか」
第13戦シンガポールGPでつまずいたメルセデスAMGは第14戦日本GPで圧倒的な力を取り戻し、きのう(9/27)の決勝は1-2フィニッシュを遂げた。フェラーリがF1世界選手権を獲得するチャンスについてアリバベーネは、次のように否定する。
「無理だね。数字の上でチャンスはあるが、メルセデスAMGは相変わらず強い」と話すアリバベーネだった。