F1第10戦ハンガリーGPは、V6ターボ時代になって初めてメルセデスAMGが表彰台を逃すという大波乱のレース展開となった。
決勝のスタート前には、21日(火)に葬儀が行われたジュール・ビアンキの追悼のため、全ドライバーが円陣を組んで黙とうをささげた。ビアンキのヘルメットが中央に置かれ、家族も円陣に加わった。
大波乱のレースの中でも終始トップを守ったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、レース後の無線と表彰台インタビューで、「この勝利をジュールにささげる」と話した。
また、レッドブルが2位と3位を獲得して、今季初めて表彰台に立った。
メルセデスAMGのルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグと接触しながらも、アグレッシブなレースで3位を獲得したダニエル・リカルド(レッドブル)は、次のように語った。
「今日はすべてに気持ちをこめた。ジュールならそうしたかったと思うから…」
■敗れたメルセデスAMG
ハミルトンは、ポールからスタートしながら、1周目にコースオフして順位を落とした。また、セーフティカーあけにもリカルドと接触してペナルティーを科され、レース中に無線でチームに謝罪。最終的に6位フィニッシュだった。
富士スピードウェイで行われた2008年の日本GP以来、自己最悪のレースとハミルトンは反省しきりだ。
「自分はポイントにふさわしいかって? ありがたいことに少し獲得できたよ」とハミルトン。
「自分がバカなまねをしたら、ただ笑い飛ばすしかない時もあるんだ。本当はもっとやれるんだって自分で分かっているからね」
最後までどうなるか分からないレース展開となったハンガリーGPを受け、メルセデスAMGの非常勤会長ニキ・ラウダはこう話している。
「F1は退屈だと言っていた人が、今はみんなバカみたいに見えるね」
チーム代表のトト・ヴォルフは、「F1にとって最高のレース」と話したが、「これからトイレにこもって泣くよ」と『Bild(ビルト)』紙にジョークを飛ばした。