メルセデス・ベンツからパワーユニットの供給を受けるフォース・インディアは先週末のF1第7戦カナダGP、最新の改良型エンジンを使えなかったことが判明した。
パワーユニットの性能向上に当たっては、FIA(国際自動車連盟)から与えられた一定枚数の「トークン」と引き換えに改造を行う仕組み。ところが今回メルセデス・ベンツは1枚のトークンも使わずにエンジンをアップグレード、カナダGPに臨んだという。
パドック内のうわさによると新型エンジンは出力こそ増していないが、信頼性に手が加えられたため、あたかもステレオの音量を「グンと上げる」かのように性能を高く設定できるのだという。
「必要に応じて、いつでも出力の上げ下げが可能になった」とルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)も証言している。
どうやらカナダGPでは、ワークスのメルセデスAMGを筆頭にウィリアムズとロータスが新ユニットを用いた模様だ。
ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌によるとフォース・インディアはと言えば、カナダGPが終わった時点でセルジオ・ペレスは今季一度もユニット交換を行なっていない。開幕からの「初期型」でペレスは実に、ほぼ4,800キロを走りきった計算になる。
メルセデスAMGのトト・ヴォルフは次のようにいう。「燃料システムに少々問題があって、8機のユニット組み立てが間に合わなかった」
「フォース・インディアのエンジンはいちばんダメージが小さいように見受けられたため、後回しにさせてもらったのだ」
ヴォルフによるとフォース・インディアは、次戦オーストリアGP(6/19-21)から最新型を使用する。