FIA(国際自動車連盟)は、性能アップに直接関係ないと思われるエンジン改良の取り締まりに乗り出している。ルノーにいわせると、こうした動きは「驚くにあたらない」という。
2015年も、間もなく折り返しの6月を迎える。今季F1にカムバックしたホンダは「開発トークン」を1枚も使うことなく、3月の開幕戦オーストラリアGPから50馬力の出力アップをやってのけた。
F1は今、「エンジン開発凍結」時代の真っ只中だ。FIAはエンジン製造会社に「トークン(手形)」を与え、限定的にシーズン中のパワーユニット性能向上を許している。
だが、たとえ建て前でも信頼性が理由であれば、トークンとの交換なくエンジン改良が可能だ。
ホンダばかりかメルセデス、フェラーリ、ルノーは、開幕からここまで1枚もトークンを使っていないとイタリア『Omnicorse(オムニコルセ)』はいう。
そこでF1第6戦モナコGPの週末、FIAは各メーカーに教育的指導を与えた。今後いかなるエンジンの変更も8日前に申し出ること。そして、それを説明するデータを書面にして添えること。通達は以上だ。
「やはり、そう来たか」と話すのはルノーのF1エンジン主任シリル・アビテブールだ。
「例えば去年、各製造会社から、50におよぶエンジン変更の要請が寄せられた」
「それほど大量の要請を管理するのは、決して容易ではない。こうした事態をもっと整理したいとFIAが思っても、私はちっとも驚かないね」とアビテブールは語った。