アルコール飲料でもスポンサーはスポンサー。ジャン・トッドFIA(国際自動車連盟)会長に、F1から酒造会社を締め出す考えはない。
F1と酒の関係に神経をとがらす欧州アルコール・ポリシー・アライアンス「ユーロケア」は、第6戦モナコGPの週末、F1におけるアルコール飲料の露出は「行き過ぎ」だとして警鐘を鳴らした。
「酒のスポンサーシップから手を引くようF1関連の諸団体に求める」と同グループは声を上げている。
確かにF1とアルコール・ブランドは今や切っても切れない。たとえばウィリアムズのメインスポンサーはイタリアの有名なベルモット、マルティーニだ。フォース・インディアは、インドの酒造会社ユナイテッド・ブリュワリーズ・グループ(UB)製ビールのロゴをマシンに貼っている。
またマクラーレンは、スコッチ・ウイスキーのジョニー・ウォーカーから支援を受ける。同ブランドは昨年、F1の「公式ウィスキー」にもなった。
28日(木)、オーストラリアの公共放送『ABC』でトッドは、アルコール広告は禁止できないと語った。
ドイツの国際輸送フォーラムに出席した彼は、次のように話している。「アルコール広告とFIAは何の関係もない」
「宣伝はあくまでひとつの国を対象にしている。飲酒運転には絶対反対だし啓蒙(けいもう)も行なっている。あとは、それぞれの国がしっかりやってほしい」
「アルコールは禁止できない。不可能だ」とトッド。「飲酒運転をしないよう人々を教育していくしかない」
「酒造会社にお願いしたいのは、そういった運動への資金援助と、飲むなら乗るなと人々に働きかけを行って欲しい」
「われわれも頑張っている。真剣に取り組むべき課題と承知しているからだ」
しかしイタリア『Autosprint(オートスプリント)』誌によると、欧州連合のある部署では、アルコールブランドの広告廃止をFIAに進言する文書を用意しているという。