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FIA、さらなる監視強化に動く

2015年05月28日(木)18:52 pm

FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)が、現在のF1レギュレーションを各チームが順守するよう、今後その監視をさらに強めていくことになるようだ。

FIAは今季すでに燃料流量制限に関するチェックをこれまでよりも厳しくすることを発表していた。そして、今回『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が報じたところによれば、「信頼性向上」のためのエンジンの改良などに関してもより厳しく目を光らせていくことになりそうだとしている。

■「トークン」対象外のエンジン開発監視強化

現在のF1エンジンルールにおいては、原則としてシーズン中の開発は「凍結」されることになっている。今季は、パフォーマンス改善に向けた開発も、各メーカーに与えられた「トークン」(開発引換券のようなもの)の範囲で行うことができるが、信頼性を向上させるための改善行為については、例外的に認められることになっている。

だが、今季マクラーレンと組んでエンジンサプライヤーとしてF1復帰を果たしたホンダを例にとれば、いまだに1枚のトークンも使っていないものの、開幕当初に比べれば現在では50馬力ほどパワーが向上しているのではないかと伝えられている。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、これに関してFIAが先週末のモナコにおいて新たな指示を発令したと報じている。

それによれば、今後各エンジンメーカーが「信頼性改善」のためにエンジンに手を加える場合は、そのエンジンが実際にサーキットで使用されることになる8日ほど前にFIAに対して申請を行わなければならなくなるという。

その申請にあたっては、その開発作業に関する説明、図、写真とともに、それが本当に信頼性向上のためのものであることを証明するためのテストでのベンチデータを添えることが求められるとされて。これはもちろん、それによって実際にはパフォーマンス改善につながる可能性のある開発行為かどうかのチェックを行うためだ。

■「フレキシブルウイング」を一掃

さらに、FIAではすでに禁止されている「フレキシブルウイング」の徹底排除に向けても、新たな基準を設けることになったようだ。

現在のF1ルールでは、ウイングの形状を走行中に変える(可変ウイング)ことは禁止されている。だが、ストレート走行時に風圧により変形し、その結果として有利なレスダウンフォース効果を生み出すフロントウイングなどが開発されていた。それがフレキシブルウイングだ。

スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』は、来週末のカナダGP(6月7日決勝)から、フロントウイングに対して新たに50ニュートンの荷重テストが行われることになると報じている。

■フェラーリの風洞施設にも疑いの目

さらに、イタリアでは、マラネロにあるフェラーリの風洞施設がFIAの査察を受けることになったようだと報じられている。

最近、14日(木)に行われたストラテジー・グループの会合において、あるチーム(恐らくはメルセデスAMGであろうと考えられている)が、フェラーリが2016年からF1参入が予定されているハースF1チームのF1カー製造支援を行っていることに対する疑念を表明したようだとうわさされていた。

現在のルールでは、風洞の利用に関しても厳しい制限が設けられている。このため、フェラーリではハースのF1カー製造に向けた風洞テストデータを自分たちのF1カー改善に利用しているのではないかと疑惑の目が向けられているということだ。今回のFIAの調査はそれに関係するものだと考えられている。

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