ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)の出身地であるイギリスのメディアは、当然ながら、先週末のF1モナコGP決勝でハミルトンから“勝利を取り上げてしまった”メルセデスAMGに対して厳しい論評を展開している。
例えば、『Times(タイムズ)』は、レース終盤にハミルトンに対して出された致命的なピットイン指示は「知性があると考えられていた人物たちが、判断することを放棄してしまった」としか受け止められなかったと厳しく批判している。
だが、イギリス以外の国際的メディアも同様の反応を示している。
スペインでは、『El Pais(パイス)』が、メルセデスAMGは実質的にハミルトンに対して「破壊工作」行ったに等しいと表現。『ABC』は、そのミスはF1では「めったに見ることができない」ほどの大失態だったと論評。
さらに、バルセロナの『La Vanguardia(バングアルディア)』紙は、ハミルトンは「不可解なミス」によって勝利を「盗まれてしまった」と書いている。
フランスでは、メルセデスAMGが成功したのはスタードライバー(ハミルトン)とドイツの大手自動車メーカーであるメルセデスとの間に「不和の種をまく」ことだけだったと『Le Figaro(フィガロ)』。
『L’Equipe(レキップ)』も「圧倒的強さを示していたハミルトンから勝利を奪い取ることは誰にもできなかった。それができたのは、唯一彼が所属するチーム(メルセデスAMG)だけだった」と揶揄(やゆ)している。
イタリアでは、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』が、「あれまぁ! メルセデスAMGがフェラーリにすてきなプレゼントをしてくれたよ」と書き、次のように続けている。
「ドイツ(メルセデスAMG)がこんなばかげたことをしてくれなければ、ベッテル(フェラーリ)が2位になるのは不可能だっただろうね」
一方、同じイタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は、レース後に見せたハミルトンの反応に関して、次のように褒めたたえている。
「ハミルトンは、称賛すべきチーム精神により、沈黙を保っていた」