マクラーレンが、F1では、現在使用されているヘルメットの「捨てバイザー」に関して何らかのルール導入を検討すべきだとの提案を行っている。
先週末のF1スペインGP(第5戦)決勝で、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソはブレーキに異常を抱えてしまっていた。ピットインしたアロンソのクルマは正常にブレーキが作動せず、本来の停止位置を大きくオーバーラン。あわや、メカニックを巻き込む大事故に発展するところだった。
幸いなことに、けがをした者は誰もいなかったものの、結局、アロンソはこの時点でのリタイアを余儀なくされていた。
そして、そのブレーキトラブルは、捨てバイザーが原因となって発生していたものだということが判明した。
現在、F1ドライバーは、バイザーの上に薄いプラスチックの捨てバイザーを何層か重ねばりした状態でレースをスタートするのが当たり前になっている。走行中にバイザーが汚れて視界が悪くなってきた場合、一番上の汚れたものから順にはぎ取って捨て去ることで、良好な視界を取り戻すことができるようになっている。
スペインGP決勝では、そうやって捨て去られたバイザーがアロンソのクルマのブレーキダクトをふさぐ形ではりついてしまったことでブレーキがオーバーヒートを起こし、結果として故障を招いてしまっていたようだ。
マクラーレンの広報担当者は、ドイツの『Bild(ビルト)』に対して次のように語っている。
「それ(アロンソのクルマにはりついた捨てバイザー)がアロンソ自身のものか、あるいはほかのドライバーのものかは確認することができなかった。それはすでに溶けて炭化してしまっていたからだ」
マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、「ドライバーたちがそれ(捨てバイザー)を必要とするのは確かだ」としつつ、次のように付け加えた。
「だが、我々はそれをどこで、どのように捨てるべきなのかということについて検討すべきだと思う。今後に向けて何かアイデアを出す必要があるんじゃないのかな」